「毎朝、健康のために食べているバナナが原因で、夕方になると、いつも片頭痛が起きてしまう……。このように体を気遣って、せっせととっている食材が、逆に体の不調を引き起こすことがあります。それが「遅延型フードアレルギー」です」

 

そう話すのは、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。このやっかいな「遅延型フードアレルギー」がジワジワと増えているという。「遅延型フードアレルギー」は、食後6〜24時間後、ときには数日後から症状が出るのが大きな特徴。

 

「その症状は、下痢や便秘などの消化器系、うつやイライラなどメンタル系、耳鳴りやめまい、片頭痛、肩こりや関節痛、さらにはニキビや肌荒れなど多岐にわたっています。とくに気がかりなのは、アレルギーを引き起こす食材が多種多様なこと。卵や牛乳、さらにはこのコラムで、健康によいと太鼓判を押している大豆やヨーグルトなども含まれるのです」

 

なかには、パイナップルとしょうががアレルギーのもととなり、45年間下痢で苦しんだというケースも。人によって、どの食材が引き金になるかわからないそう。

 

「心配なのは、そのアレルギーの原因となる食材が、健康にいいからと毎日欠かさずに食べ続けていたり、好物だったりするものが多いことです。しかもその食材がなかなか特定されにくく、気づかずにそのまま食べ続けてしまうのです。原因不明の体調不良が続いている場合は、このアレルギーを考慮してもいいでしょう」

 

そんな「遅延型フードアレルギー」が増えている背景には、過剰なまでの健康ブームがある。体にいいからと毎日同じ食材をとり続けるような偏った食生活が、その原因ではと小林先生は語る。

 

「健康にいいものでも、特定の食材をとり続けることは消化不良を起こすだけでなく、その食材が、アレルギーの原因に変わってしまうことも。まずは、ふだんの食生活を見直してみましょう。今は血液検査で、アレルギーを引き起こす食材を特定することもできます。その食材をとらないだけで、症状はずいぶん改善していくでしょう」