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「いわゆる『子どもの感染症』に大人がかかると、重症化する傾向があります。深刻な合併症を引き起こすことも。大人はウイルスに感染する機会が比較的少ないので、子どもほど免疫機能が鍛えられていないのが、原因ではないでしょうか」

 

こう警鐘をならすのは、たんぽぽこどもクリニック院長・石川功治先生。大人が感染するとより大変な「子どもの夏病」をリストアップしてもらった。

 

○手足口病

「夏の感染症の中では大人がかかりやすい病気。しかも特効薬がなく、対処療法しかありません。子どもは発熱してもそれほど高熱にはなりませんが、大人の場合、38度をこえることも。とくに口の中の発疹が多い印象があります。口の中じゅう、口内炎のように白い発疹ができ、痛みで唾を飲み込むことさえつらいという方もいらっしゃいました。そうなると水分をとることも難しく、しばらく点滴をしながら回復を待つしかありません」

 

○ヘルパンギーナ

手足口病に似た感染症で、発熱、喉に痛みを伴う発疹が出る感染症。大人がかかると39度を超える高熱、関節痛、倦怠感が出る。「手足口病よりは大人が感染することは少ないですが、鏡の前で口を開けて見てください。喉の入口のあたりに口内炎のような白っぽい発疹があるのが確認できたら、ヘルパンギーナを疑って」

 

○咽頭結膜熱(プール熱)

プールの水を介して、口や鼻などの結膜から感染することが多く、「プール熱」とも呼ばれる。大人が感染するとやはり子どもより症状は重く、高熱、強い喉の痛み、目の充血が数日続く。「感染経路はプールだけとは限りません。タオルなど物を共有したり、くしゃみや咳を通しても感染するので注意を」

 

○麻疹(はしか)

「子どもでも高熱が数日続くつらい病気で、大人がかかると重症化します。もともと麻疹は合併症として肺炎を起こしやすい感染症。呼吸不全になり、人工呼吸器にかけることもあります。大人はさらに肺炎を起こす可能性が高いので、麻疹にかかったことがない人は、すぐにワクチン接種することをすすめます」

 

○風疹

妊娠初期に感染すると、胎児が先天性心疾患、難聴となる「先天性風疹症候群」を引き起こすことで、ニュースでも話題になった。「合併症の脳炎が怖い感染症でもあります。大人のほうが脳炎を起こしやすい傾向があり、運動機能の障害など、後遺症が残ることもあります」

 

○溶連菌感染症

「主な流行季節は冬ですが、最近は通年見られる感染症に。大人がかかると子どもよりも発熱、喉の痛みともに重く、さらにこどもにはない関節痛、倦怠感が出ます。赤く細かい発疹、舌にいちごの皮状のブツブツができるいちご状舌も溶連菌の特徴。お子さんの溶連菌の検査で強い反応が出た場合、お母さんも感染してしまうことが多いです。合併症で腎炎を起こすリスクもあるので、抗生物質は最後まで飲みきること」

 

どの感染症も、予防に有効なのはこまめなうがいと手洗い、免疫力を落とさないための規則正しい生活、そして適度な休養だ。大人がしっかり予防することが、子どもたちを守ることにもつながる。

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