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「中国・南方医科大学の研究チームが、18〜75歳の人たちの職業と『脳卒中』の関連について調査をしました。研究チームでは、看護師やサービス業など仕事の『要求度』が高くて『裁量度』が低い職種と、『要求度』と『裁量度』が高い仕事(教師やエンジニアなど)を比較しました。その結果、ストレスを受けやすい看護師やサービス業のほうが、脳卒中のリスクが22%も高かったのです。とくに血栓や脂肪の沈着物が脳の動脈に詰まる『虚血性脳卒中』については58%も発症リスクが上昇していました。そして、もっとも気になるのが、男女で比べたもの。女性のほうが、リスクが高く、33%も脳卒中のリスクが上昇したというのです」

 

そう語るのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生。仕事だけでなく、家庭、人間関係など、私たちの生活は、多くのストレスにさらされている。そんなストレスは、自律神経を乱れさせ、血管が収縮して末梢神経の血流が悪化することが、小林先生の研究でも実証されている。

 

「たとえば、人とぶつかったり、雨が降ったり、忘れ物をしたり、暑かったり寒かったり−−。自分では、ストレスだとは感じていない、こんな些細な『嫌なこと』程度でも、実は血流は停滞するのです。さらに愚痴を言ったり後悔したりネガティブな感情を持つだけでも血液はドロドロに。大きな病気を引き寄せてしまうのです。大切なことは『ストレスに強い体質』をつくることです」

 

そこで今回、小林先生が実践しているストレスを受け流す呼吸法を教えてくれた。

 

「肺は、胸から肩まで広がる大きな臓器です。しかし、ストレスを受けると呼吸が浅くなり、肺全体で呼吸することを忘れてしまいます。それが血流を滞らせ、自律神経を悪化させます。両手の指先を両胸の上部、肩の下あたりに当てます。そのままゆっくり息を吸うと、その場所がふくらむのが実感できると思います。肺の隅々まで空気が届いているからです。この呼吸法を10回ほど繰り返すだけで、血中の『ストレス物質』を押し流すことができます」

 

2016年は、ストレスを受け流せる体質になって、血流も人生もスムーズにしよう!

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