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「現在、歯科医院は全国に6万8千軒近くあって、5万軒のコンビニより身近な存在です。ところが20代以上のじつに8割が歯周病といわれており、先進国の中でも圧倒的に多い。それは正しいケア方法を教えられていないことが原因ではないでしょうか」

 

こう警鐘を鳴らすのが『歯は磨かないでください』(廣済堂)の著者で、3万人の患者を診てきた歯科衛生士の豊山とえ子さん。“磨いているのに虫歯になる”と悩んでいる読者のために、今回「ヒロキ歯科診療所」(埼玉県)の西野博喜医師とともに“デンタルケア新常識”を教えてもらった!

 

【1】歯磨きは食べる前か食べて20分たってから!

「歯にはプラークという虫歯の原因となる菌の集合体が付着しています。プラークは、炭水化物に代表される糖分などを酸に変換します。その酸が大量に放出されると菌を溶かして虫歯となるんですね。つまり、酸を作るプラークを極力除去してから食べ物を食べれば、酸の放出量は減り、歯は酸に侵されないのです」(西野医師)

 

むしろ、これまで常識だった食後すぐの歯磨きは、歯が酸に侵され、表面が傷つきやすい状態でブラッシングしていたことになる。

 

「食後に歯磨きする場合は、口内が唾液によって中性になるまで5分から20分ほど待つといいでしょう。食後どうしても“気持ち悪い”という人は、歯の再石灰化を促すフッ素が含まれる日本茶で口をゆすぎましょう」(豊山さん)

 

ちなみに、気にならなければ、両者とも1日1回の歯磨きで十分だという。

 

【2】虫歯は初期ならすぐに治療しない!

“虫歯は一生治らない”と思い込んでいる人も多いはず。実際に、すぐ削って詰め物を入れて“治療終了”となる医院も多い。しかし、唾液の量や食生活、プラークの量を調べることで、正しいケア方法が導きだせる。

 

「口内環境が健康的であれば、初期の虫歯ならカルシウムやリンを含んだ唾液によって再石灰化され、自然治癒が期待できるんですね。虫歯になった原因を放置して、ただ穴を開けて詰め物をするだけでは、経年によって詰め物の周囲からまた虫歯が再発します。それをさらに削って詰め直すことを繰り返せば、いずれ歯を失うことになるんです」(西野医師)

 

【3】歯ブラシで舌をゴシゴシ磨かない!

「口の中の細菌は、歯のような硬いところに付着する性質があります。舌にもプラークは存在しますが、付着はしていません。ですから、うがいである程度の量は洗い流すことができるんです」(西野医師)

 

しかし、睡眠不足やストレスを感じた時などは、舌の表面に白い舌苔がたまりやすくなり、これが口臭の原因になるそう。

 

「歯磨きのついでに、ブラシで舌を磨いてしまう人も多いようですが、それは間違い。味蕾という舌の表面の小さなポツポツを傷つけてしまうので注意が必要。専用の舌ブラシを使用するのもいいですし、指に巻いたガーゼでやさしく拭うだけでも大丈夫です」(豊山さん)

 

【4】歯磨き後のうがいは念入りにしない!

「市販の歯磨き剤の多くにはフッ素が配合されているので、歯磨き後、すぐにうがいをするとその効果が薄れてしまいます。本来なら30分ほどはうがいしないほうがいいのですが」(西野医師)

 

とはいうものの、やはり口の中がどうしても不快だという人には、

 

「10ccほどのお水で、30秒から1分間、軽くゆすぐようお伝えしているんですよ」(豊山さん)

 

正しいケアは、歯のぬめりをなくし、歯石や着色も着きにくい“強い歯”を作ることに。一生、自分の歯で食べるために、今日から新常識を実践しよう!

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