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「パソコン、スマホからくる“目の疲れ”でストレスがたまった人や、うまく眠れずにいる人が、サロンに多くいらっしゃいますね」

 

そう語るのは、現在予約12万人待ちで話題の、日本初の頭ほぐし専門店「悟空のきもち」の金田淳美社長。’08年に京都で開店。女性は10分、男性なら8分で施術中に眠りについてしまうという「眠らせ魔法」が口コミで広がり、現在東京・大阪の4店舗で、1カ月の新規予約が1分で埋まる人気ぶりだ。なぜ頭をほぐすのか……そこに特化した理由は、金田さんの経験にあった。

 

「会計士の仕事をしていたころ、やる気はあるのに眠気が強くて、大事なミーティング中に眠ってしまったこともあって……。どうしていいかわからず、あらゆるマッサージを試すも、なかなか治らず、脳の疾病なのかも……と不安になったこともありました」

 

会計士の仕事をやめた金田さんは、「睡眠の問題に取り組めないか」と勉強を始めた。

 

「そのとき頭=脳の疲れを取るマッサージがいいのではと思いついたんです。マッサージとは本来、体の筋肉疲労をほぐすことが目的。しかし、それでは脳の疲れを取ることはできません。私がそうだったように、『頑張りたいのに頑張れないほど疲れている人』のために、頭をほぐすサロンをつくろうと思いました」

 

教えてくれる人もいない中、さまざまな施術を体験し、鍼灸医や医師に協力を仰ぎ知識を身に付けながら、独自のほぐし法を編み出していった。

 

「疲れている人は時間がない人も多いので、オイルも水も使いません。そして、頭の上からゴリゴリ強く押さない、うつぶせで顔を圧迫しない……というように、いわゆる従来のマッサージの施術方法から、“それは違うな”というものを省いていったんです」

 

現場で実践しながら、さらに技術の改良を進めるなか、施術中に爆睡した人と、眠れなかった人とでは、疲れの取れ方に差が出るということに気づいたという。「睡眠」が脳疲労を取るカギなのだ。

 

「それからは、どう睡眠に導けるかに焦点をあて、快感のピークで眠りに落とす『絶頂睡眠』を施術では目指しています」

 

体に行うケアと同じように、頭のケアにも意識を向けてほしいと金田さんは言う。

 

「食事を外で楽しんでストレスを発散することはできますが、外で眠りを楽しんで、脳疲労を取れる場所はありません」

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