image

 

「エイジングストレス」とは「年齢を重ねることで感じる不安や焦燥感によって生じるストレス」(新語時事用語辞典より)のこと。元来、30歳前後の女性に現れるとされているが、現在ではアラ50の問題とされている。それはどうしてなのだろう? 婦人科医で、自身も同世代という成城松村クリニックの松村圭子院長はこう分析する。

 

「まず前提として、『エイジングストレス』が30歳前後に多いという定義は、決して間違いではないと思います。長寿社会とはいえ、女性の美や健康に関しては、医学的にはいまも20代がピーク。『25歳はお肌の曲がり角』といいますが、実際にコラーゲンの産生量は25歳から下降し始め、骨密度も18歳ごろがピークですので、30代から『老化』は始まっているといえるのです。けれど、これは『初期老化』に過ぎません。しかもいまのアラ50は総じて美や健康に対する意識が高く、知識も豊富なため、30を過ぎても大きなダメージを受けずにすんだ人が、少なくないのでしょう」(松村先生・以下同)

 

20代はバブル景気を謳歌し、アラ40になったら美魔女ブームをけん引。現在のアラ50は、いわばずっと、「負け知らず」であり続けたのだ。

 

しかし、そんな彼女たちにも避けられないものが、卵巣機能の寿命。つまり閉経だ。

 

「更年期に入ると、エストロゲンの減少にともなう影響が全身に現れ、逃れられなくなっていきます。ここで初めて老化に直面し、エイジングストレスを実感する人が続出したのでしょう」

 

日本女性の総・美魔女化によって、後ろ倒しになったともいえる「エイジングストレス」。かといって、いつまでも「若さ」に拘泥しすぎると、その先には思わぬ落とし穴が待っているという。

 

「本来、更年期の症状は『生きるペースを緩めましょう』という体のサインです。でも、それを受け入れられないと、心までつらくなってしまいます。若さや女性らしさにアイデンティティを感じている人ほど、エイジングストレスのダメージは大きいかもしれません。また、更年期の諸症状はホルモンバランスの乱れからくる自律神経の変調によるものですが、ストレスも自律神経の大敵。つまり、エイジングストレスが強いと、更年期の症状自体が悪化する可能性も考えられるのです。ほてりなどの身体症状はもちろん、とくに心配なのが精神面。美貌や若さに自信があった人ほど見えない不安にとらわれ、マイナス思考になってしまいかねません」

 

おまけに現代のスマホ社会が、ストレスに拍車をかけてしまう危険性も!

 

「とくに多いのが、SNS上の『リア充自慢』にのみ込まれてしまっている人。インスタ映えはアラ50でも流行しており、その投稿を見ては『この人に比べて、私って』と落ち込み、更年期の症状が重くなっている人が多いのです」

 

そんなアラ50世代に、松村先生は、何か「うちこめるものを持つ」ことを薦める。

 

「何か夢中になれるものがあると、その時期は無心になれるし、SNSからも離れやすくなります。またできることが増えることで、視野が広がっていきます」