image

 

「更年期に入ると、エストロゲンの減少にともなう影響が全身に現れ、逃れられなくなっていきます。本来、更年期の症状は『生きるペースを緩めましょう』という体のサインです。でも、それを受け入れられないと、心までつらくなってしまいます。また、更年期の諸症状はホルモンバランスの乱れからくる自律神経の変調によるものですが、ストレスも自律神経の大敵。ストレスが強いと、更年期の症状自体が悪化する可能性も考えられるのです」

 

こう語るのは、婦人科医で成城松村クリニックの松村圭子院長。ストレスの波にのみ込まれないようにするためには、自分の体の変化に早めに気づくことも大切だという。

 

「ホットフラッシュやイライラはあまりにも有名な症状ですが、全員が同じような症状を起こすとは限りません」(松村先生・以下同)

 

そこで、いままであまり注目されなかった症状による、更年期の新セルフチェックを、松村先生監修のもと、編集部で作成した。次の症状が1つでも当てはまるようなら、あなたも要注意かもしれない。

 

□買い物時にビニール袋が開かない、タッチパネルが反応しにくい

□ドライマウスだと思う

□昔に比べ性交痛がある

□尿もれがする、または頻尿になった

□めまいがする

□太りやすくなった

□髪が薄くなったり、ハリやコシがなくなった

 

それぞれの項目について、松村先生が解説してくれた。

 

【買い物時にビニール袋が開かない、タッチパネルが反応しにくい】

 

「実はエストロゲンは『潤いのホルモン』でもあります。コラーゲンを生成する働きもあるので、更年期に入ると皮膚の水分保持力が衰え、乾燥が気になるように。該当する場合は、潤い不足を疑ってみてもいいでしょう」

 

【ドライマウスだと思う】

 

こちらも(1)と同じく、乾燥が関係している。やたらと口が乾く場合は、エストロゲンが減少しているサインかも!

 

「ただし、ドライアイの場合は、涙の分泌量の問題です。更年期より、加齢そのものによることが多いでしょう」

 

【昔に比べ性交痛がある】

 

こちらは複数の要因が重なって起きる症状。

 

「1つは先ほどと同じく潤い不足によるものです。そして、もう1つは膣の萎縮によるもの。エストロゲンには膣を柔軟にしたり、粘膜の代謝をつかさどる働きもあるので、更年期になると膣も萎縮。乾燥とのダブルパンチで、性交痛を引き起こすことがあります」

 

【尿もれがする、または頻尿になった】

 

エストロゲンの粘膜の代謝をつかさどる働きは、膀胱の粘膜とも関係している。

 

「そのため、更年期になると膀胱も萎縮します。すると、尿をためられる量が減少するので、頻尿になることも。エストロゲンの減少によって骨盤底筋も緩くなりますので、尿もれもしやすくなるのです」

 

【めまいがする】

 

更年期の症状は、エストロゲンの減少によって起こるものだけではない。

 

「更年期の症状には自律神経の乱れが大きく関係しています。そのため、めまいを訴える方も多いですね。めまいは回転性と浮動性など大別されますが、更年期の場合は、ふわふわとした浮動性の方が多いようです」

 

いっぽう、回転性の場合はメニエール病や良性発作性頭位めまい症など、耳鼻科系疾患が原因ということが多いそう。

 

【太りやすくなった】

 

「エストロゲンには脂質代謝を調節する働きがあるため、分泌量が減ると内臓脂肪が増えやすくなります」

 

【髪が薄くなったり、ハリやコシがなくなった】

 

「エストロゲンには髪が生えてから抜けるまでのサイクルを整える働きもありますので、更年期になると、抜け毛や薄毛のほか、髪が細くなったりもします。いっぽう白髪は、加齢によるもので、女性ホルモンと直接的な因果関係はありません」

 

いずれも病気というほどではないけれど、地味につらいものばかり。

 

「気になる症状がある方は、一度婦人科を受診してみましょう。たとえば性交痛も、保険適用の膣錠で改善可能です。おかげでいまも夜は現役、という70代の患者様もいらっしゃいます」

 

きちんと向き合い、対処すれば、更年期も怖くない。