そう宣言するのは、江田クリニックの江田証院長。小腸の病気「SIBO(小腸内細菌増殖症)」の存在を日本で初めて明らかにした『小腸を強くすれば病気にならない』(インプレス)を出版した、“腸活”の第一人者だ。

 

「いま、日本人の間でこのSIBOがひそかに増えています。SIBOになると、おなかの不調だけでなく肥満や貧血、視力障害やうつ症状のほか、がんの発症リスクも上昇。SIBOから身を守ることが病気予防につながるのです」(江田先生・以下同)

 

SIBOが医学会で認識されるようになったのはここ数年。小腸の中で腸内細菌が爆発的に増えてしまう病気だ。

 

「本来、大腸にあるべき細菌たちが小腸に停滞、繁殖してしまった状態です。これによって小腸内にガスが発生し、おなかの不調をはじめ、さまざまな病気の要因となるのです」

 

そもそも小腸は、食物の消化分解を担う場所。食事から得た栄養は小腸でほとんど吸収されるため、生命を支える非常に重要な器官だ。

 

「大腸には腸液1ミリリットルあたり100億〜1兆個もの腸内細菌が存在しているのに対し、小腸の腸内細菌の数は、正常で1万個程度です」

 

口から入った食物は食道、胃を通って小腸に入り、大腸を通じて肛門から排出される。腸内細菌は、本来、この過程でどんどん数が増殖していく。

 

「もともと大腸には多くの細菌が存在し、その細菌が作るガスによる伸縮にも耐えるようにできています。しかし、小腸の動きは通常すばやく、小腸壁に細菌が取りついて繁殖しないため、小腸内の細菌は少ない。そのため小腸はガスに耐えるようにはできていない。ところがSIBOになると、小腸で過剰増殖した細菌がガスを大量発生し、細長い小腸を風船のように膨らませます。食事をするたびにこれを繰り返すことで、小腸が傷ついてしまうのです」

 

SIBO患者の小腸内の細菌数は、正常値の10倍に相当する10万個超。そして、患者は増加の一途をたどっている。

 

「下痢や便秘を引き起こす過敏性腸症候群患者の85%が、SIBOを発症していたのです。最大の原因は、現代の食生活。パンやパスタなどの小麦食品や甘いジュースに含まれる糖質は小腸で吸収されにくく、細菌を発生させやすい。これらの糖質を大量摂取することで、SIBOを引き起こしているのです」

 

ほかにも、ストレスや抗生物質、胃薬、鎮痛剤の安易な服用もSIBOの発症原因になる。おなかの弱い人はすでにSIBOの可能性も大いにあるので、次のリストをチェックしてみよう。1つでも当てはまればSIBOの可能性アリ!

 

□少ししか食べなくてもおなかがポッコリと張る
□下痢気味
□便秘気味
□頻繁に腹痛がある
□おならがよく出る
□おなかがゴロゴロする
□腸剤やヨーグルトを摂取するとおなかの調子が悪くなる
□ピロリ菌に感染している
□空腹時におなかがグーッと鳴らない

 

「過敏性腸症候群と診断され、治療をしているのに改善しない場合は、SIBOである可能性があります。また、ピロリ菌感染者は胃酸が減少し、小腸の細菌を殺すことができません。空腹時におなかが鳴らない人は、小腸の運動力が低下しており、細菌が小腸で繁殖している場合があります」