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「ごはんやパン、砂糖に含まれる糖質は“体脂肪のもと”。美しくやせるためには、食べる量や摂取カロリーを抑えることより、血中の糖を上昇させないことが重要。つまり血糖値を制するものが、ダイエットを制するのです」

 

そう語るのは、本誌連載「血流講座」でおなじみの順天堂大学医学部の小林弘幸教授。その仕組みはこうだ。

 

「血糖値は1日を通して上下動し、食後が上昇するタイミングです。急激に上昇すると、体内に吸収しきれずに血中に糖が余ってしまいます。余分な糖は肝臓で中性脂肪に合成され、脂肪細胞として蓄積されていくのです。やせるためには血糖値を急上昇させないようにコントロールして、体脂肪をためないことです」

 

そこで本誌スタッフの七尾睦美(仮名・38)に「血糖値コントロール」を実践してもらった。

 

「実は、この6年で体重が10キロ増加。ウエストも10センチ以上太くなってしまいました。仕事が忙しいと、つねに口にお菓子が入っていないとイライラする体質。これまで“食べないダイエット”を何度も試みましたが長続きせず、一時はやせても、3日ほどでリバウンド。そんな失敗ばかりでした」

 

こう話す七尾に、15分ごとに血糖値を測定できる「Free Style リブレ」を装着。血糖値コントロールのポイントに従い、実験をスタート!

 

【朝、コップ1杯の水を飲む】

 

「いつも朝は食欲がなく朝食をとらずに出社。昼食前におなかが減って我慢できずに菓子パンなどを食べていました。朝起きたらすぐに水を一気に飲むことで、食欲も出て2日目から朝食をとれるように。その結果、ランチで食べすぎることがなくなりました」(七尾)

 

小林先生が語る。

 

「空腹時に砂糖のかたまりのような菓子パンを食べると血糖値が急上昇します。血糖値は70〜140(mg/dl以下略)に保ち、140を超えないようにすることが成功のカギ。起床してすぐにコップ1杯の水を飲むと腸のぜん動運動が促され、朝から胃腸が活発に。血流が改善し、代謝もアップします」

 

【食べ順が大事】

 

「血糖値を急上昇させないポイントは食べ方です。糖質を先に食べると、すぐに消化・分解されて脂肪になりやすくなります。食物繊維が豊富な野菜を先に食べることで、糖質の消化・吸収を遅らせ、血糖値の上昇が抑えられます」

 

との小林先生のアドバイスどおり“食べ順”に注意したという七尾。

 

「野菜を最初に食べて、次にタンパク質の肉や魚、最後にごはんを食べることで、少量でも満腹感が。お米を食べる量が自然に減りました。外食ではこれまで丼ものや麺類が多かったけど、食べ順を守るために定食をチョイス。自炊でも、きのこ類やブロッコリーなど野菜を多くとるようにしました」(七尾)

 

小林先生は次のように語る。

 

「きのこや海藻類は水溶性食物繊維が豊富で、血糖値をコントロールする強い味方です。また、小腹がすいたときはナッツやチーズがオススメ。ビタミンやタンパク質が多く含まれ“お菓子”として最適。ただし塩分があるので食べすぎには注意してください」

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