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虫歯になったけれど、もうとっくに銀歯にして治してしまったから大丈夫。そう安心しているあなた。もしかしたら、その銀歯が、体調不良を引き起こしているかも――。

 

「更年期の頭痛や肩こり、肌荒れや慢性疲労、イライラや不眠などの不快な症状は、昔に治療した銀歯が原因かもしれません」

 

そう語るのは、横須賀歯科医院院長の横須賀正人先生だ。更年期に多く現れ、さまざまな体の不調を引き起こす不定愁訴。ホルモンバランスの乱れとあきらめて、我慢している人も多い。

 

そんな不調は、虫歯の治療として、歯にかぶせられたり詰められたりした銀歯が引き金になっている可能性があるという。

 

「銀歯は、長い時間、唾液にさらされることで金属イオンとなって溶け出し、血流に乗って全身を巡ります。体内で、金属イオンは異物として認識され、金属アレルギー反応が起こり、いろんな症状が出てきます。銀歯を除去することで、肌荒れや片頭痛などの不定愁訴がなくなったという事例がたくさんあるのです」(横須賀先生・以下同)

 

銀歯には、銀以外に、水銀、スズ、銅、亜鉛などアレルギーを起こしやすい金属が使われているから気がかりだ。

 

「一般的には、アクセサリーによる金属アレルギーと比較すると、歯科用の金属での発症頻度は少ないといわれています。しかし、当院の女性スタッフ20人を調べたところ、6割にあたる12人に歯科金属アレルギーの反応がありました。意外と身近なものなのです」

 

もし、不調の原因がわからない場合は、「銀歯かも?」と、疑ってみてはどうだろうか。さらに銀歯のなかでも、40代以上の人に、とりわけ注意してほしいものがある。

 

「無機水銀が含まれるアマルガムです。コストが安くて扱いやすいということで、金(ゴールド)の代替品として、虫歯治療の充てん材として多用されました。このアマルガムの水銀が蒸発し、それが体内に長い間蓄積されることで、肌荒れ、頭痛、腰痛、便秘、めまい、手足のしびれなどの症状を起こすと疑われています」

 

現在ではアマルガムは銀歯として使用されていないが……。

 

「特に1970〜1980年代にかけて、歯科治療で盛んに使われていました。子どものころにアマルガムを詰めて、そのままという人も少なくありません。アマルガムは濃い灰色でザラザラしているのが特徴で、詰め物を見ればわかります。症状が出るかどうかは個人差がありますが、不調の原因がわからない場合、アマルガムの銀歯が引き起こしている可能性もあるのです」

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