秋も深まり、これからは何かと体の不調が起こりがちな季節……。でもその悩み、お尻の筋肉を鍛えて、股関節の負担を軽減してあげれば、一挙に解決できちゃうかも!

 

「近年、股関節が衰えていることが原因で、冷えやむくみ、肩こり、尿漏れなど、さまざまな体調のトラブルに悩む女性がとても増えています」

 

こう話すのは、理学療法士の佐藤正裕先生。佐藤先生は股関節ケアのスペシャリストとして、股関節ケアサロン「銀座プラス」で施術にあたっている。

 

「股関節は体の中心にあり、立つ、しゃがむ、歩くといった日常的な動作の軸となっている大切な部位です。股関節が本来の位置からズレてしまうと、冷えやむくみ、腰痛、肩こり、便秘などの症状が現れます。この症状が進行すると『変形性股関節症』になり、日常的に痛みや動きの不自由が生じ、最終的には外科手術を受けなければならないケースもあります」(佐藤先生・以下同)

 

変形性股関節症は、女性に多い症状だという。その原因として、女性のほうが男性より骨盤が大きく、筋力が乏しい、日本人特有の内股傾向の生活習慣、出産時に股関節に負担をかけている……といった理由が挙げられるそうだ。

 

日常生活に支障をきたすことで手術を選択すると、多くの場合、腰や膝といったほかの部位に負担がかかるようになり、姿勢が崩れたり、今度はその部位の手術をしなければならなくなったりという悪循環に陥ってしまうという。

 

こうしたケースを数多く見てきた佐藤先生は、これが高齢者など足腰の弱い人のみならず、トップクラスのアスリートにも見られることが気になっていた。

 

やがて、欧米では保存療法が普及していて、股関節周りの筋肉、つまりお尻の筋肉を鍛える運動療法を駆使することで、手術の必要がなくなることなどを知った佐藤先生。その後、海外の学会に参加するなどして学んだ後、独自に開発した「股関節セラピー」を施術に用いるように。

 

これまで佐藤先生の元を訪れた実に3,000人以上が手術を回避することができ、日常生活を送っている。症状が軽度の患者さんも、股関節のケアをすることで、冷えやむくみが解消された、腰痛が軽減した、ぽっこりおなかが引っ込んだ、といったように、悩みを解消できた例も多いという。

 

これから冬にかけては、寒さもあって、何かと体調トラブルに見舞われがち。その原因が股関節にあるなら、ぜひ解消したい!

 

「下半身には全身の筋肉の約6〜7割が集中していて、なかでもお尻の周りには大殿筋や中殿筋など、片側だけで20種類以上の筋肉が集中しています。この筋肉をきちんと使わずにいると、骨盤・股関節周りを適切にサポートする力がなくなり、股関節にどんどん負担がかかってしまうのです」

 

股関節周りを十分サポートできるだけの筋肉がついているかの判断基準は、「おしりエクボ」ができるかどうか。「おしりエクボ」とは、両脚をくっつけた状態でお尻の穴をキュッと締めたときに、お尻の左右にできるくぼみのこと。子どものお尻は縦に長く奥行きがあり、左右にこのエクボが出る。大人になって筋力が落ちてくると、エクボが出なくなるのだという。

 

最近では筋力の低下が若年化していて、高齢者だけでなく、10〜20代でもこのような状態に陥っている例が少なくないそうだ。

 

「街中でも、ハイヒールを履いて歩いている姿や立ち姿勢から、股関節の衰えが見受けられます。歩行動作のときに膝が上がっておらず、ペタペタ歩きをしている人が多くいます。さらに姿勢も前のめりだったりと美しくない。これらの原因も、お尻の筋肉が不足しているケースが多いのです」

 

そこで佐藤先生が推奨するのが、股関節セラピーの一環である「おしりエクボ体操」。お尻の筋肉をよみがえらせるためのエクササイズだ。

 

■「おしりエクボ体操」のやり方

 

【STEP1】「寝ながらお尻上げ」

1)あおむけに寝て膝を軽く立て(左右の膝と足の間は、こぶし1個分くらいあける)、腰に両手の甲を当たるようにして手を差し込む。
2)差し込んだ手と腰が離れることのないように、お尻だけを上げる(お尻の穴をキュッと締め、腰と手が床から離れないように)。
3)3秒キープしたら、ゆっくりおろす。3秒キープ×20回。

 

【STEP2】「つま先立ち」

1)両足の間をこぶし1つ分ほどあけ、両手を腰に当てて立つ。
2)かかとをしっかり上げてつま先立ちをする(体重が外に流れないよう、かかと同士をしっかり合わせる。かかとはしっかりと上げる)。
3)お尻の穴をキュッと締めて、全身が伸びるイメージで10秒キープ。10秒キープ×5回。

 

【STEP3】「しゃがみ立ち」

1)つま先は開き、両足のかかとを軽くつけて、両手を骨盤の脇に添えて立つ。
2)上半身を真っすぐに保ち、つま先立ちになってしゃがむ。お尻はかかとの上にのらなくてもOK。ひと呼吸。
3)お尻の穴をキュッと締めながら、ゆっくりと立ち上がる(前かがみにならないよう注意)。1〜3を10回。

 

5分程度でできる基本の3ステップを1日1セット、2週間ほど継続すれば、効果を実感できるという。

 

「実践する際は、必ず『おしりエクボ』をしっかり意識しながら行うようにしてください。エクササイズできちんと筋肉を強化すれば、股関節を正しく動かせるようになります。実際、私の施術を受けた人の約9割が手術を免れています。年齢に関係なく、80代、90代の人でもエクササイズをきちんと実践すれば十分に効果が望めます。体調トラブルの改善だけでなく、姿勢など見た目も変化するため、股関節のケアは、トータルで体を若返らせてくれるのです」

 

おしりエクボ体操が、あなたの笑顔にもすてきなエクボを作ってくれるはず!

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