「試合や練習で腰に衝撃を受けて痛める打撲だけではありません。バス移動でずっと座った姿勢が続いたり、イベントなどで立ちっぱなしの時間が長いときに、腰が張る、重い、といった腰痛がよく起こっていました」
こう語るのは、“ミスター女子プロレス”の異名を持つ、LLPW-X代表の神取忍さん(53)。多くの人を悩ませる腰痛。学生時代から柔道、そしてプロレスを続けてきた神取さんも、腰痛には長年苦しめられてきた。さまざまな試行錯誤のうえ、神取さんが最後にたどりついたのが、テニスボールを使った腰痛対策だ。
「20年ぐらい前、最初は寝た状態でゴルフボール1個を腰に当ててグリグリやっていたんだけど、これが結構痛くてね(笑)。それでテニスボールに変えてみたんです。だけどボール1個じゃ、なかなかピンポイントで患部に当たらない。それでボールを2個に増やしたら、これがドンピシャ! 10年以上、毎日続けていますよ」(神取さん・以下同)
やり方はいたって簡単。違和感のある腰回りの患部に、ビニールテープで固定した硬式テニスボール2個を当て、あおむけになってそのまま寝るだけ。自分の体重で患部を圧迫して、30秒~1分後に負荷を解放する。患部の血流を改善させるという方法だ。
実際に記者がやってみると、まるで指圧を受けているような心地よさで、腰も軽くなった。硬式テニスボールや固定するビニールテープを100円ショップで買えば、費用は計300円ほどだ。
「軟らかいベッドや布団の上では効果が半減するので、フローリングや畳の上など、硬い場所で行ってください。ポイントは長時間(3分以上)圧迫しないことと、グリグリ腰を動かさないこと。逆に腰への負担がかかるからね。お風呂上がりなど、体が温まっているときのほうが効果的です」
これに加えて、股関節を調整する簡単なストレッチを行っているそう。
「両手を広げて、背中を床に密着させる。膝を立てて、腰を浮かさないように膝を左右に倒す。これを20往復行って。このストレッチをやることで、股関節の筋肉や、お尻周りの筋肉も緩みます。テニスボールのあとにやると、腰がかなり軽くなると思いますよ」