「最近、私の医院に、『特に理由はわからないけれど、すぐに疲れる』と慢性疲労を訴える患者さんが増えています」
そう語るのは内科医の工藤孝文先生。現代の40~50代の女性は、仕事に家事に人づきあいにとフル回転。しかし、寝てさえいれば疲れがとれる年ごろでは、もはやない。そこで、日常のちょっとした生活習慣で改善するヒントを、2択クイズ形式で紹介。睡眠、食生活……「疲れない」のはどっちかな?
【Q1】睡眠をとるためにコップ1杯の牛乳を起きてから飲む or 寝る前に飲む
「答えは起きてから飲む。牛乳には、睡眠ホルモン「メラトニン」のもととなるアミノ酸の一種、トリプトファンが豊富に含まれています。トリプトファンは14~16時間かけてメラトニンに変換されます。つまり、朝飲んでおくと寝るころにはちょうど変換されて、質のよい睡眠がとれるのです」(工藤先生・以下同)
【Q2】安眠を誘うパジャマの生地はフワフワのコットン or ツヤツヤのシルク
「答えはツヤツヤのシルク。フワフワのコットン生地ももちろんいいのですが、その上をいくのがシルク地。私たちは睡眠時に1リットル前後の汗をかきます。シルクは吸湿性、放湿性ともに抜群の機能性を持つうえ、夏は涼しく、冬は暖かいという究極の素材。心地よい眠りに一役買ってくれます」
【Q3】疲れをとるため、夕食にもう一品足すとしたらキムチ or 納豆
「答えはキムチ。トリプトファンは納豆にも多く含まれていますので、納豆は朝方食べるのがよいでしょう。一方、キムチに入っているカプサイシンには入眠を助ける作用があるので、就寝前の2~3時間前に食べるのがオススメ。ただし、取りすぎは興奮の原因となるので要注意」
慢性疲労は脳の「疲れた」というサインだそう。
「実は全身で疲れを感じていると思うかもしれませんが、最初に脳が『疲れた』と体にサインを送らなければ、疲労を感じることはありません。つまり、脳が『疲れた』というサインを出しやすくなっている状態こそが、“理由なき慢性疲労”の始まりなのです。睡眠や食生活など、ここにあげたような生活習慣を実践し、脳へのストレスを少なくすれば、疲れは軽減していくでしょう。そういう生活を続けると、体の変化を感じるはずです」
賢く生きて、脱・疲労体質に!