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「日本人は、実は外国人から『口が臭くて残念な国民』と思われているのです。オーラルプロテクトコンソーシアムという、歯ぐきの健康を通じてカラダ全体の健康を推進する団体が行った調査によれば、在日外国人の実に7割が、『日本人の口臭にがっかりした経験』があり、『オーラルケアをもっと徹底してほしい』と願っているとのこと。日本は無臭大国どころか、口臭大国なのです!」

 

そう話すのは、『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)の著者でにおいに詳しい医師の桐村里紗先生。「口が臭くて残念な国民」と思われているのは、日本人の成人の多くが歯周病を患っていることと関係しており、女性とて例外ではないそう。

 

「厄介なことに、においというのは自分では気づきにくいという特徴があります。どういうことかと言うと、同じにおいを嗅ぎつづけていると、だんだん慣れてしまうのです。よその家に行くと『その家特有のにおい』を感じるのに、自分の家だけは無臭だと感じるのがその典型。とくに口臭は、鼻のすぐ近くで発せられています。常に強烈な口臭を発している人ほど本人は気づいていない場合がありますので、注意が必要です」

 

口臭に限らず、人間は身近なにおいに対しては無自覚になりがちだということ。「自分はにおわないのに、ダンナが臭くて腹が立つ!」という女性でも、実は自分自身も“におい”の発生源になっているかもしれないのだ!

 

そこで、口のにおいが気になったときの対処法を、桐村先生が教えてくれた。

 

■なるべく前を向き、人との会話を心がけよう

 

「意外に思うかもしれませんが、スマホばかり見ていると交感神経が刺激され、唾液の分泌量が低下。また、スマホをする時間が増えるとそれだけ人と話す時間が減り、口の周りの筋肉や舌を動かさなくなることからも、唾液の分泌量が減ってしまいます」

 

目を見て話すことは口臭予防にも!

 

■デンタルフロスや歯間ブラシ、水流洗浄機も使ってみよう

 

「日本人の口腔ケアといえば歯磨きですが、実は歯垢の4割が磨き残されています。せめてデンタルフロスや歯間ブラシも併用しましょう。それでもまだ2割は残ります。最近では歯間や歯周ポケットを洗い流す水流洗浄機も出ていて、歯間のにおいが取れると評判です。ぜひお試しを」

 

■歯磨きのベストタイミングは就寝前と起床時

 

「食後すぐは、食べ物と唾液の流れで細菌がもっとも少ない状態。このときに歯を磨くとせっかくの唾液を洗い流してしまい、唾液が持つ殺菌力などを生かせなくなってしまいます。いっぽう就寝中は唾液の分泌量が減り、細菌がもっとも増えるとき。就寝前と起床時に念入りに」

 

■健康な舌であれば、うがいだけで十分

 

「過剰な舌苔は口臭の原因になりますが、歯磨きついでに歯ブラシで磨くと、歯磨き粉の研磨剤や界面活性剤が舌を傷つけ、ますます汚れがつきやすくなります。健康な舌であれば、食後は水で口をゆすぎ、舌を口の上の天井部分にこするようにするだけで付着物は落ちますよ」

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