クローブ水の材料はクローブ(ホール)、水、にがり。水の代わりに緑茶でもよい 画像を見る

スパイスにさまざまな健康効果があることが知られている。たとえば、カレーのスパイスの代表格、ターメリックは胃腸の調子を整える、シナモンは炎症を抑える、唐辛子は血流促進効果、など……。

 

こうしたスパイスを利用した「スパイス水」が、さまざまな健康作用をもたらすという。スーパーなどで手軽に入手できるスパイスを、水に入れて飲むだけという手軽さがうれしい。

 

今回は2種類の「スパイス水」を紹介したい。まずは「クローブ水」。

 

「クローブは漢方の生薬で丁子(ちょうじと)と呼ばれ、健胃剤として使われていますが、私は感染予防、アンチエイジングの働きにも着目しています」と、医師で日本栄養精神医学研究会会長の奥平智之先生。

 

「クローブは、昔からペストのような伝染病の感染対策に使われており、抗菌、殺菌、抗ウイルス作用があります。免疫システムを強化する働きがあり、感染対策の一助となります」(奥平先生)

 

また、胃腸を温めて機能アップの働きもある。クローブにはポリフェノールも多く含まれており、抗酸化作用、アンチエイジング効果、さらに記憶力低下を緩和する可能性も指摘されているのだとか。

 

「クローブの免疫強化、抗炎症のほか、抗血栓、細菌の二次感染予防としての抗菌作用は、新型コロナウイルスに対する潜在的なメリットとしても考えられます。体力、免疫力を上げるためにクローブ水を取り入れてみてください」(奥平先生)

 

■クローブ水の作り方

 

〈材料〉作りやすい量

クローブ(ホール)…1~3個
水…500ml
にがり…数滴

 

〈作り方〉

クローブを水に入れ、にがりを垂らし、混ぜる。

 

〈飲み方〉

・作ったらすぐに飲めるが、時間をおくほど抗菌力や味が増す。
・感染症対策には、ひと息に飲まず少しずつ飲む。

 

マグネシウムには筋肉を和らげる働きがあるので、にがりを少し垂らしてみよう。頭痛や肩こりなどの軽減が期待できる。また、水の代わりに緑茶を使ってもよい。

 

次に紹介するのが「コリアンダー水」。コリアンダーとはタイ料理などでよく使われるパクチー(香菜)の種子で、健胃作用のほか、更年期症状の緩和やデトックス(=毒出し)作用が高いことでも知られている。

 

日本アーユルヴェーダ協会理事長の上馬場和夫先生が、コリアンダー水について説明してくれた。

 

「コリアンダーには、消化促進や腸内のガスの排出を促す作用、胃腸の調子を整える、デトックスなどの作用があります。さらに、熱を下げる働きも。これから暑くなると、体に熱がこもりやすくなり、風邪のような症状や不定愁訴を引き起こしやすくなります。また、更年期症状のひとつにホットフラッシュがありますが、これは瘀血といって全身の血流が滞ったことで頭に熱がたまって起こるものです」(上馬場先生)

 

コリアンダーの効果には個人差があるそうだが、コリアンダーの香りを好む人が「コリアンダー水」を飲むと、症状が和らぐことが期待できそうだ。

 

■コリアンダー水の作り方

 

〈材料〉コップ1杯分

コリアンダーシード(パウダー)…小さじ1
水…200ml

 

〈作り方〉

コリアンダーシードを水に入れ、常温で一晩おく。

 

〈飲み方〉

・コーヒーフィルターなどで濾して飲む。

 

コリアンダーの香りが好きな人は、葉を水に浸して煎じて飲んでもよいそう。

 

この夏は「スパイス水」で体調を管理し、不調知らずで乗り切ろう。

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