「こんぶにはグルタミン酸やアスパラギン酸などのアミノ酸系のうま味成分が豊富に含まれています。うま味成分の摂取を習慣化すると、味覚が正常化して、味が濃い、甘い、脂っこい食べ物を受けつけなくなります。自然と減塩やカロリー減につながり、ダイエット効果のみならず、高血圧も防ぎます。そこで、オススメなのが“ペットボトルこんぶ水”なのです」
そういうのは、昆布問屋「天満大阪昆布」社長の喜多條清光さん(70)。
だしを取るためにわざわざ乾燥こんぶを使う家庭は年々減少している。喜多條さんは健康効果が高いこんぶを多くの人に食べてほしいと、約10年前からこんぶ水を毎日飲み続け、自ら“実験台”に。すると、体重も血圧も劇的に改善したという。
「10年前、私の体重は100キログラム、血圧は160/120mmHgでした。体は重く、血圧も高すぎて、いつ心筋梗塞や脳卒中になってもおかしくない状態です。しかし、こんぶ水を飲み始めてからというもの、数年をかけて自然と体重は69キログラムまで減少。血圧も今は110/60mmHgと、正常値になりました。実は誰よりもこんぶ水の効果を実感しているのが私なんです」(喜多條さん)
こんぶの健康効果について、『毎朝こんぶ茶を飲んだら2週間で3kgやせた』(CCCメディアハウス)の著者で、減量外来・糖尿病内科医の工藤孝文医師に聞いた。工藤医師自身も和食をベースに25キログラムのダイエットに成功した経験があるという。
「こんぶのぬめり成分のアルギン酸とフコイダンは多くの人が不足しがちな水溶性食物繊維です。この食物繊維は小腸で糖の吸収を穏やかにして、血糖値上昇を緩やかにします。腸の老廃物を排出し、便秘も解消。腸内の善玉菌が増え、腸内環境が整います。腸は全身の免疫細胞の約6割が集中しているため、免疫力もアップします」
さらに、アルギン酸とフコイダンは体内の過剰なナトリウムを排出し、動脈硬化を予防するため、高血圧を防ぐ。コレステロールの吸収を抑え、血中コレステロールの増加も抑制。アルギン酸はエネルギーを効率よく代謝する作用があり、色素成分のフコキサンチンにも脂肪の燃焼を促進する働きがあるなど、ダイエット効果も◎。
「こんぶにはカルシウム、カリウム、鉄、ヨウ素などのミネラルも豊富。毎日のミネラル摂取で血流が改善され、頭痛や肩こり、むくみ、冷え、慢性疲労なども次第に改善するでしょう」(工藤医師)
■「ペットボトルこんぶ水」の作り方
〈材料〉
洗浄済みの1.5リットルペットボトル1つ
乾燥こんぶ15グラム
※ペットボトルの容量(水)とこんぶの目安量
水500ミリリットル:こんぶ5グラム
水1.5リットル:こんぶ15グラム
水2リットル:こんぶ20グラム
〈作り方〉
(1)使用するこんぶを5分ほど水に漬けて、ふやかす
(2)キッチンばさみでふやけたこんぶを1〜2ミリ幅に切る
(3)1〜2ミリ幅のこんぶをペットボトルに入れる
(4)こんぶを入れたペットボトルに水を注ぎ、キャップを閉める
(5)冷蔵庫に入れて、1時間置いて完成。
こんぶ水だけを飲むと磯臭く感じる人は、レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘系フルーツとミントを加えると格段に飲みやすくなる。柑橘系フルーツでビタミンやクエン酸を摂取できるうえ、リラックス効果のあるミントの爽やかな香りで、おいしい夏バテ解消ドリンクに早変わり! 塩をひとつまみ加えれば、ミネラルが補給でき、熱中症予防により有効になる。
「こんぶ水にスポーツドリンクを加えたり、スムージーを作るときにこんぶ水を使ったりしても◎。毎朝コップ1杯分(約200ミリリットル)のこんぶ水を飲むのがオススメです。ペットボトルから注いで少なくなった約200ミリリットル分は、また水を継ぎ足して、常にペットボトルは満タン状態にしておきます。こんぶから色が出なくなったら、新しくペットボトルこんぶ水を作りましょう。冷蔵で約1週間は保存可能です」(喜多條さん)
この夏はペットボトルこんぶ水で健康的に乗り切ろう!