「『口臭=くさい=嫌なもの』というイメージがありますが、実は口臭はその人の健康状態のバロメーターです。私は口臭でその人の体調や体質から、なりやすい疾患や症状、さらに言えば、その人の性格やどんな人生を歩むかまでわかります」
こう話すのは、14年間で、4,000人の口臭を嗅ぎ分けた実績を持つ口臭治療を専門としている中城歯科医院院長の中城基雄先生だ。
「口臭は、食べ物が私たちの体内に入って分解される段階で発することもありますが、これは一時的な臭いであって、多くは私たちの口内環境と体質から生じるものです。そうした口臭は私たちの体質や体調による部分が多くあります」(中城先生・以下同)
今回、中城先生に食べ物による口臭クイズを作成してもらった。
【Q1】虫歯は口臭につながりがち。次のうち、虫歯を作りやすい食品はどれ?
(1)バナナ
(2)野菜ジュース
(3)はちみつ
正解は(2)。口内菌は自分たちが増殖するためのエサである糖分を好む 野菜ジュースに多く含まれるショ糖は、歯垢の原因となる「不溶性グルカン」というベタベタした成分を生み出す。これが歯に付着したままだと歯は徐々に溶けて虫歯に移行していき、口臭の原因となる。
【Q2】食べると口臭が出やすくなる食材はどれ?
(1)トマト
(2)きゅうり
(3)キャベツ
正解は(3)。キャベツには、「含硫アミノ酸」という成分が含まれているが、口内の口臭発生菌はアミノ酸の成分が大好物なので、これを栄養として取り込む。すると「脱アミノ反応」が起きて、含硫分が温泉臭のある「硫化水素」に変化して口臭のもとに。
【Q3】にんにく臭がキツくなるのを避ける効果がある食品はどれ?
(1)ウーロン茶
(2)りんご
(3)バター
正解は(2)。にんにくには食欲をそそる「アリシン」という成分が含まれるが、これが口内に入り「硫化アリル」に変化し、にんにく臭となる。りんごに含まれるリンゴ酸には硫化アリルを分解する働きがあり、にんにく臭を軽減してくれる。
これまで、自分の口臭は意外に自分では気づかないものだったが、最近はマスクを長時間着用することで、自分の口臭に気づく人が増えているそう。
「最近、自分の口臭が気になるという人からの相談も増えています。確実に臭いが気になる場合は、病院での診断が必要な場合も」(中城先生)