■できない自分を受け入れることで対策が見えてくる
「1つ目は感じること。手を合わせるのは仏教の作法ではなく、体を感じるための所作です。2つ目はプロセスを楽しむことで、『いま』に集中すること」
日常生活ではマルチタスクが当たり前だが、瞑想中は吐く息を数える、ただそれだけに集中する。
「瞑想中、座るのがつらい、数えきれないなどできないこともあるでしょう。3つ目は、そんなできない自分を許して、自分をやさしく見守ることです」
昨今、自分にきびしい人が多い。たとえばイライラする自分を変えたい人は、少しでもイライラすると自分を責めるが、「それも自分と受け入れることが肝心」という。
「自分を追い詰めず、『こんなときもあんなときもイライラしたなあ』と受け入れていくと、イライラしやすいパターンに気づきます。それがわかれば、イライラしそうなときに深呼吸したり空を見上げたり、自分なりの方法で対応できるようになるでしょう」
ただ月曜瞑想の再起動が1週間もたないことも。そんなときは家事などの生活習慣を、いつもより時間をかけていねいに行う「生活瞑想」がおすすめだ。
【生活瞑想】
〈お茶瞑想〉
やかんで湯を沸かし、急須に茶葉を用意する。湯のみにお湯を入れ、少し冷まして急須に注ぎていねいにお茶を入れる。水の音、茶葉の香り、お茶の味などを五感すべてで感じよう。
〈千切り瞑想〉
便利グッズを使わず、野菜を包丁で千切りにする。端から4分の3までは普通に、残り4分の1はゆっくりと。野菜と触れ包丁を持つ感覚、野菜を切る音などに意識を向ける。
〈靴ひも瞑想〉
靴ひもをすべてゆるめて足を入れ、最下段をぎゅっと締め、次に1つ上をと順番に締めてひもを結ぶ。手足の感覚を確かめながらの靴ひも瞑想は、外出前、心を整える時間になる。
〈手洗い瞑想〉
コロナ対策で増えた手洗いを、ていねいに行って瞑想にしよう。せっけんを泡立て、手のひら、手の甲、指先、指の間、手首とそれぞれの感覚を感じながら、時間をかけて洗う。
「五感をフル活用し、音や香りや味を感じてください。お茶をこぼすなどうまくいかない自分がいても、やさしく受け入れましょう」
母や妻、仕事人など多くの役割をこなし多忙を極める私たちは、「まず、自分にやさしくなることが大切だ」と伊藤さんは力説する。
「瞑想は自分のためだけの時間です。まずは週1回から、できれば毎日続けてください。自分にやさしい心を育めば、まわりの人にももっとやさしくなれますよ」
自分を後回しにしがちな女性こそ、月曜瞑想を習慣にしよう。