供給遅れの懸念も…「インフル予防接種は11月中に」医師が警鐘
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■接種を重ねたことでのトラブルの報告はなし

 

カギを握るのがインフルエンザの予防接種だ。しかし、国内では新型コロナワクチンの2回目の接種率は55.1%(9月22日現在)。さらに3回目のコロナワクチン接種となる「ブースター接種」も年内には医療関係者に、年明けには高齢者にも始まるとされている。

 

新型コロナワクチン接種後にインフルエンザの予防接種を打つ場合、前後2週間は間隔をあける必要があるが、それでも立て続けのワクチン接種に不安を覚える人も少なくない。森内先生が語る。

 

「新型コロナワクチンでは、当初どのような副反応が出るかわからないこともあり、インフルエンザの予防接種をするときでも2週間の間隔をあけることが推奨されています。最近では、ワクチン接種のデータもそろってきて、間隔をあけなくても問題が起きていないことから、海外では新型コロナワクチンとインフル予防接種の同時接種も行われています。また多くの人が心配する副反応ですが、コロナワクチンとインフルエンザの予防接種の相乗効果で重篤な副反応が起こるといったことは医学的にも考えにくく、世界中でもそれによるトラブルは報告されていません」

 

そうとあればインフルエンザ予防接種も考えたいところだが、中島先生によれば、日本では例年、欧米に比べて予防接種のスタートが遅れる傾向があるという。

 

それに加え、厚生労働省によると、インフルエンザの予防接種は、世界的に原料が不足しており、ワクチンが出回るペースは通常より遅くなるともされている。

 

「とはいえ、今シーズンの供給量は例年並みの予定で、日本では今季の供給量は約5,600万人分を確保しているので、それほど慌てなくてもいいでしょう。ただし、インフルエンザ予防接種の接種率は例年5割ほどですが、希望者が増えると不足する事態も考えられます。製造方法はコロナワクチンとは異なり、不足したからといって急に増産することはほぼ不可能なのです。インフルエンザの予防接種は、抗体が十分な量になるまで接種から1カ月ほどを要します。コロナワクチン接種を優先しながらも、来年1月から3月下旬までのインフルエンザの流行に先だって、11月中には予防接種をしておくことが望ましいでしょう」(中島先生)

 

インフルとコロナのツインデミックから身を守るためにも、早めの予防接種を心がけよう。

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