■シャワーを使うことで簡単に仙骨に熱が伝わる
骨盤周りということもあって、この部分を温めることは女性特有の疾患や不調改善にも効果テキメンだという。といっても、適切な温度があるのだそう。
「自律神経の調整を働かせるには、体の深部体温を40〜42度くらいにする必要があります。そのためには38〜40度以下くらいのぬるめのお湯に30分ほど半身浴をしなければなりません。しかし、冬場にそんなことをすれば風邪をひいてしまいます。逆に熱いお湯に入ると、表面体温こそ上がっても、深部体温まで上がらずに湯冷めをしてしまい、かえって逆効果です。そこで『仙骨あたため』です。仙骨は骨から熱を伝えやすい部位なので、ここから深部へアプローチができるのです」
では、仙骨を温める具体的な方法を教えてもらおう。
「お風呂に入ったついでに、仙骨から10センチくらい上の距離から、シャワーで体温より高めの40〜42度くらいのお湯を直接当てて、30秒間ほど水圧で仙骨を刺激してください。これを3〜4回繰り返します」
仙骨から副交感神経が刺激されて全身の血流が促進されると体が温まりやすくなり、腰痛が和らいでいるのを感じるだろう。それだけでなく、リラックス効果があるので入眠作用も高まる。
ほかにも自律神経の調整力アップ、女性特有の子宮・卵巣の疾患や生理痛、泌尿器科、消化器のトラブルのほか、坐骨神経痛の改善や肩こり、全身のこり改善にも働くそう。
「仙骨シャワー」や蒸しタオルでも十分体を温められるが、もっと「仙骨あたため」を持続させたい人には、市販されている温熱シートを仙骨部分に貼るのもいい。
「温熱シートは蒸気の湿熱タイプのものが熱くなりすぎずに長期間温度が保たれて体の深部をじっくり温めてくれます。使い捨てカイロは乾熱タイプなので、温度が70度くらいまで上昇しやすく、注意しないと低温やけどのリスクがあります。温度調節に気をつけてください」
体調改善を実感するためにも、毎日続けることが大切だそう。