けいれん、幻聴など依存の可能性あり!長期・高容量服用がもたらす向精神薬の危険性
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■向精神薬の需要は世界的に高まる

 

海外のある報告書では、世界の睡眠導入剤市場は’30年まで毎年7%以上の成長率が見込まれているという。日本も例外ではない。

 

特に近年、向精神薬の需要が高まっている背景には、新型コロナウイルスの流行による継続的なストレスや、急激な生活様式の変化によるものなどが考えられると宇多川さんは指摘する。

 

向精神薬は医師であれば、精神科に限らず何科の医師でも処方できる。たとえば、内科や皮膚科でも不眠を訴えると睡眠薬などの処方箋が出るため、多くの人にとってわりと簡単に手に入るようになっている。

 

また、利用者の傾向を見ると、向精神薬の処方は年齢とともに増えている。右肩上がりになるのが、更年期の年代である40~50代から。日本人の40~50代の女性は世界でも睡眠時間が少ないことが知られているが、寝つけない、熟睡できないといった睡眠障害や中途覚醒などから、向精神薬の服用に至る人も少なくない。

 

実際に、更年期障害のある女性の約20%が睡眠薬を処方されているというデータが、’16年に日本睡眠学会で発表されている。

 

その背景を宇多川さんはこう説明する。

 

「更年期世代はホルモンバランスの乱れによる不眠や不安が挙げられます。また、加齢とともに体内時計のリズムが狂い始めます。若いころに比べて運動量も足りないため、体が疲れにくく、夜間の眠りも浅くなります。さらに高齢になるほど周りの人との離別や死別が増え、孤独を感じるようにも。こうした理由が複雑に絡み合って、不眠や不安が起こるのです」

 

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