■手のひらを冷やしつつ基本の水分補給も
「もっとも効果的な手のひら冷却は、まず、保冷剤を持った手のひらを、心臓の高さまで上げること。これで血流がぐっと増えクーリング効果がアップします。次に、保冷剤をもむなど手や指を動かすこと。抜け道血管は運動したときにも開きやすくなります。そのうえ、手指を動かすことで、指に血が流れないことへの予防効果も期待できます」
保冷剤での手のひら冷却なら、家の中だけでなく、ちょっとした外出時の熱中症予防として利用できそうだ。
外出時に保冷剤をずっと握っているのは大変だが、たとえばリストバンドやハンカチで保冷剤を手のひらに固定できる。シュシュなどの髪飾りや炊事のとき袖まくりに使うアームバンドなども使え、ヘアバンドなら二重にぐるぐるっと巻けばバッチリだ。
最近は日焼け防止のアームカバーを使う人が多いが、その中にリストバンドと保冷剤を仕込んでおけば、不自然な印象は持たれないだろう。
もし固定できるようなものが家にないという人は100円ショップで購入できる。ファスナーで開け閉めするポケット付きのリストバンドなどもあるので、使いやすいものを探そう。
「手のひら冷却の効果は、皆さんが思うより高いのです。なので、寝たきりの方や赤ちゃん、元気な方でも就寝中などには危険です。起きて動いているときの対策だと考えてください」
加えて、熱中症予防には水分をたくさんとることも忘れてはいけない。
「水分をあまりとらない体は脱水状態になり、血液量も減ってしまいます。せっかく手のひらを冷やして冷たい血液を全身に巡らせようとしても、そもそも血液量が少なければ、クーリング効果が十分発揮できないからです」
まだ7月、夏本番はこれからだ。手のひら冷却で熱中症を予防しながら、健康で楽しい夏を過ごそう。