3月に入り、本格的な花粉症シーズンに突入した日本列島。
「先週は東京でも20度近くまで気温が上がりました。2月末から、スギ花粉の症状を訴えて受診される患者さんが増えてきましたね」
こう語るのは、ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック院長の永倉仁史先生だ。
気象庁によれば、スギ花粉の飛散量は西日本が例年並み、東日本や北日本は例年より多いとの予想が出ている。またウェザーニュースの発表では、東北北部の花粉飛散量は過去10年で最多レベルの予想。とくに秋田県では前年比6倍超という驚異的な数字が出ている。聞くだけでも憂鬱だ。
「花粉の飛散量が多いと、自覚症状が出てから短時間で重症化しやすくなる傾向があります」(永倉先生)
花粉症の新しい免疫療法の開発を行う第一人者である、日本医科大学名誉教授の大久保公裕先生も次のように話す。
「日本人のうち、約4割が花粉症といわれています。一度発症すると、年齢を重ねても自然に治ることはありません」
根本改善を目指す代表的な治療には「舌下免疫療法」があるが、治療開始は6~11月が推奨されている。飛散が始まっている今、もう根本治療は間に合わない。ならば、今からでもできる対処法でなんとか乗り切れないか――。
そこで今回は、長年重度の花粉症に悩んできた3人の記者が、ちまたで“効く”といわれている対策を、1週間本気で試してみた。結果はS・A・Bの3段階評価、主に効く症状、記者のコメントとともにまとめた。
花粉対策の基本はなんといっても“花粉を寄せ付けない・家に持ち込まない”ことだ。大久保先生、永倉先生が口をそろえて効果アリと話す「鼻うがい」は効果がすぐに感じられた。
「鼻うがいは花粉を取り去る意味で効果があります。花粉だけでなく、鼻の中のかゆみのもととなる物質を減らすこともできるのです」(大久保先生、以下同)
そして、目と鼻に塗って花粉の侵入を防ぐ“ワセリン”は、検証した記者たちのイチオシ。
「ワセリンは粘膜を潤し、花粉をブロックする効果があります。おすすめは鼻うがい後に塗ること。鼻うがいでは花粉と一緒に鼻水などの粘液も取り去るので、鼻の中が乾燥して花粉が入り込みやすくなります。ワセリンを塗ることである程度花粉の侵入を防ぐことができます」
花粉の時季は目のかゆみ対策でだてメガネが手放せない記者Cも、その効果にいたく感動した。いつもはマスクと一緒にメガネをかけるとレンズがくもってしまう。だが、まつげの生え際に塗ったワセリンが粘膜を潤し、侵入する花粉をある程度防いでくれたおかげでメガネを手放すことができた。これは段違いに快適だった。そのほかにも、“眼洗い”や“帰宅後の即洗顔”も効果的と、大久保先生は話す。
また、この時季は花粉がつきやすい素材の服は着ないほうがいい。
「ウール素材は静電気の影響で花粉がつきやすいので、ほかの素材にするか、さらっとした生地のものをいちばん外側に着るといいですね。家に入る前にコートについた花粉を払うと、あまり持ち込まずに済みます」(永倉先生)
