湿度が高くなる梅雨の季節は、水回りのカビや雑菌に要注意!「うちはしっかり掃除しているから大丈夫」と思っていても、それは目に見えるところだけではありませんか?じつは水回りの場所の中でも浴室にはとくに“かくれ汚れ”がいっぱい。放置しておくと健康に影響を及ぼす可能性もあります。
衛生微生物研究センターの所長・李憲俊氏は、追いだきをする給湯配管のかくれ汚れを指摘しています。
「追いだきすると浴槽の湯が一旦、給湯配管で加熱され、浴槽に戻ってきます。その際、人の体から出た雑菌(大腸菌や黄色ブドウ球菌など)が給湯配管を行き来してお湯に混ざるのです。その雑菌が配管内で増殖していても、配管内を見ることができないのでわかりませんが、増殖した雑菌が浴槽に戻ってくることもあります。」
(家族での楽しいバスタイムも、給湯配管に潜む“かくれ汚れ”の仕業で雑菌まみれになっている可能性も。)
とくに高齢者や乳幼児など免疫力が低い人たちは、病原菌に感染しやすいので、浴室の雑菌に気をつけたいものです。
「排水溝は掃除しているのに臭うという場合は、給湯配管の雑菌がヌメリとなって定着し、バイオフィルム(細菌・カビなどの微生物が集まってできるヌメリ)を作ってしまっている可能性もあります。とくに梅雨時期は、気温も湿度も高く、バイオフィルムが形成されやすい時期。ひどいケースでは人体に影響が出て、皮膚炎や肺炎など感染症を起こしてしまうリスクもあります。1カ月に1回は給湯配管を掃除して、いつも清潔なお湯につかるようにしましょう」
(お風呂の給湯配管に潜む大腸菌。このほか黄色ブドウ球菌、緑膿菌なども多く、アレルギーや感染症を引き起こす恐れも。細菌・カビなどの微生物が集まってできるヌメリ「バイオフィルム」は悪臭の原因に。画像提供/コーデテーラー)
では具体的にどうやって給湯配管を掃除すればいいのでしょうか。風呂釜洗浄のプロである森田友和氏にお話しをうかがいました。
「給湯配管はお風呂から給湯器までつながっていて、中をゴシゴシ洗うのは不可能です。また配管に水圧をかけて洗おうとするのは、精密機器が壊れる可能性があるのでできません。そこでプロによる掃除では、追いだきをして洗浄剤を配管の中に入れて汚れを取ることで雑菌を減らし、安全な水質で入浴できるよう洗浄します。水質を検査すると、かなり雑菌が多い危険な状態のご家庭が多く、臭いやにごりの原因になっていることも。1年に一度はプロによる給湯配管の掃除を行うことをおすすめします。とくに引っ越しの際のクリーニングでは給湯配管の洗浄まで行わないところが多いので、前の住居者の風呂釜の汚れがそのままになっている可能性があります。清潔なお風呂で気持ちよく入浴するためにも、1年に一度はプロによる給湯配管の掃除を行うことをおすすめします」
(プロによる風呂釜洗浄の料金は2万円前後。洗浄剤と泡の力で洗浄力を上げるマシンを使用。)
「うちの風呂釜も雑菌が増殖しているのでは…」と怖くなりますが、プロに依頼するのはなかなかハードルが高いもの。プロに依頼できない場合は、どうすればいいのでしょうか。
「まずは給湯配管の雑菌を増やさない入浴法が大事です。追いだき時に入浴剤を入れておくと、それが菌の栄養分になってしまったり、配管の腐蝕につながることもあります。入浴剤を入れたときは追いだきしないようにしましょう。また、市販の配管洗浄剤で月に1度、掃除することもおすすめします。ジャバ(ジョンソン)などスーパーやドラッグストアで手軽に買える洗浄剤でこまめに掃除することで、風呂釜の除菌が可能です」
梅雨時期に増える浴室のかくれ汚れをしっかり取って、家族みんなが安心して入浴できる環境を整えましょう。
雑菌が繁殖しやすい給湯配管を99%除菌。アクティブ発泡パワーで水に入れた瞬間に強力発泡。お湯に入れて追いだきボタンを押すだけで、手も汚さずにラクラク洗浄ができます。「スクラビングバブル ジャバ1つ穴用」(160g)
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取材協力/株式会社コーデテーラー http://codetailor.co.jp/
撮影/高野広美 取材/垣内栄