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「『健康ゴールド免許』が物議をかもしています。国の医療費は41兆5,000億円と13年連続で過去最高額を更新しています(’15年度・厚生労働省)。これを抑えるため健康管理を促すねらいは理解できます。しかし『健康管理をした方と、せずに生活習慣病になった方が同じ自己負担では……』という論調に、私は大きな違和感を持ちました」

 

こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。「健康ゴールド免許」とは、定期健診を受けるなど健康管理に努めた人には、医療費の自己負担を3割から2割に引き下げようという提言。10月、小泉進次郎氏ら自民党の若手議員がまとめた社会保障改革案の中にあったものだ。

 

「先日、フリーアナウンサーの長谷川豊氏が書いた『自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!』というブログが非難を浴びました。健康管理を怠る=自業自得で病気になった人は、国は医療費の面倒を見なくていいという発想は、健康ゴールド免許も同じでしょう」

 

なりたくて病気になる人はいない。会社員は無料(会社負担)で定期健診が受けられるが、生活が厳しく健診どころではない人もいる。健康管理できない原因は、経済格差にもある。

 

「仮に病気の原因が健康管理にあるとしても、健康管理したかどうかを、誰がどのように判定するのでしょう。たとえば喫煙はダメ、ビールは1日◯本までなどと国が基準を決めるのでしょうか。国が国民の生活にまで口を出す戦前に逆戻りするようで、きな臭ささえ覚えます」

 

また、世の中には先天性疾患や原因不明の難病など、自分の力ではどうしようもないことで苦しんでいる人もたくさんいる。

 

「最近は、自助努力を求める傾向があります。本来、自助努力では解決できないことを助けるために国があり、国民皆保険やセーフティネットがあるにもかかわらず。国民皆保険の意義をたがえ、国を挙げて税金を使い、病気の人に失格の烙印を押すような健康ゴールド免許は、言語道断と言わざるをえません」

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