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もしもがんになってしまったら、もしも夫がいま突然死んでしまったら……。年をとるたびに不安は増えるいっぽう。その“もしも”のときに金銭面で助けとなってくれるのが「保険」だが、あまりにもお金をかけて家計を圧迫していませんか?そんな人は、加入している保険を見直して、保険料のスリム化をはかろう。

 

「定期保険同様、生保の定番は医療保険。でも、医療費に関しては、公的保険で大部分がカバーできるので、病気になるリスクの低い若い世代は、貯蓄をメインに考えたほうがいいでしょう」

 

そう話すのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん。では、実際にどのくらいの公的補助が受けられるのかが気になるところ。たとえば月をまたがず1カ月間に100万円の医療費がかかった場合でも、窓口の支払いは3割負担の30万円で済む。

 

「さらに高額療養費制度を利用すれば、一般的な年収では1カ月の医療費上限額が約8万7,000円。それを超えた約21万3,000円の医療費は、あとから返金されます」

 

頻繁に100万円単位の医療費がかからない限り、10万円以下の貯蓄で十分にまかなえるというのだ。そして、いちばん考えるのは“国民の2人に1人がかかる”といわれるがん。

 

「40代、50代の人は、医療保険をやめて、がん保険に切り替える選択肢もあります。」

 

「診断給付金100万円・入院手術費用・抗がん剤治療をカバー」というがん保険が一般的だ。

 

「50歳女性で月々5,000〜6,000円ほどになりますが、まずはがんの医療費がどのくらいかかるのかも知るべきです。じつはがんもそれほど大きな出費ではないんです」

 

内視鏡手術で済むごく早期の胃がんや大腸がんであれば、最初の1年で12万円ほど、もっとも長期間の経過観察が必要な乳がんについても、100万円あれば当面間に合う(がん治療費.com参照)。

 

「治療だけなら100万円、療養中の収入減や抗がん剤治療などを考慮しても、200万〜300万円の貯蓄があれば、がん保険をやめるという選択肢もあります。それだけの貯蓄がなければ、目安として50歳で1,500万円以下のがん、三大疾病に特化した掛け捨ての安い保険に入って、今までとくらべて安くなった分を少しずつ貯蓄する方法もあります」

 

しかし、「がん治療は日進月歩。なかには300万円以上もの医療費がかかる重粒子線治療など、先進医療もあるので、がん保険は必須」と考える専門家もいる。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは次のように語る。

 

「そうした高額な先進医療をカバーするために、がん保険の主契約に、100〜300円ほどで先進医療特約を付加します。しかし、最近は500円で先進医療をカバーできる単体の保険も売り出されました」

 

通常のがん治療は自費で、どうしても貯蓄だけでは支払えない高額先進医療のみを保険でカバーする、というやり方で、月の保険料もスリム化できそう。

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