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スマートフォン(以下・スマホ)やパソコンなどの使用で目の疲れを感じる、「スマホ老眼」が20〜40代の若年層で増えている。株式会社ファンケルヘルスサイエンスが20〜60代の男女1万8人に行った調査では、目の疲れがある人は全体の86.2%を占め、その原因として56.4%の人が「スマホやパソコンを利用したことによるもの」と回答。特に20〜30代で63%、40代でも59%が同様の回答で、スマホやパソコンの使用頻度が多い層に顕著な傾向が見られた。

 

眼精疲労分野に詳しい眼科専門医の梶田雅義先生は、「スマホ老眼」について次のように解説する。

 

「『スマホ老眼』とは、スマホの利用やパソコン作業などで目を酷使することで、一時的に老眼のように目のピント調節機能が衰えることをいいます。これは、『老眼』が始まる40代以降に多かった症状ですが、この数年、スマホの普及によって、10〜20代後半など若年層に増えています。『老眼』と『スマホ老眼』は、症状はよく似ていますが、原因は異なります。『老眼』は、加齢とともに目の水晶体が硬くなることで起こります。一方で『スマホ老眼』は、年齢は若いので目の水晶体はやわらかい状態です。目の酷使により、水晶体を動かす毛様体筋(筋肉)がこりかたまることで起こります」

 

’15年に株式会社ファンケルヘルスサイエンスが行った調査では、1日のスマホの平均使用時間は約3時間。1日に1時間以上使用している人は約70%だった。生活に欠かせないスマホだが、スマホの使用増が「スマホ老眼」の原因になっているのだ。次の「スマホ老眼」チェックシートで、あなたの目の疲れ度合を確認してみよう。

 

□小さな文字や、ディスプレイ(スマホ、パソコン、タブレット、テレビなどの画面・以下同)を1日3時間以上見ている

□就寝前や通勤中など手元の暗い中で、スマホやパソコンなどを利用することが多い

□まぶたがピクピクとけいれんする

□手元の文字やディスプレイが見えづらい(ピントが合いづらい)と感じる

□目がかすむ、ぼやける

□目が乾く感じがする

□目がしょぼしょぼする

□目の奥が痛む

□目が充血する

□以前より光をまぶしく感じる

□肩こりがひどく、常に肩がはっている

□後頭部から首筋にかけて痛み(頭痛)や重みを感じる

 

【診断結果】

0〜2個・視界は良好

3〜5個・スマホ老眼の傾向あり。注意が必要です

6個以上・スマホ老眼が慢性化している可能性あり。早急なケアを

 

「目がかすむ、ぼやける、しょぼしょぼするといった症状のほか、悩む方の非常に多いドライアイも実は目を酷使することによる疲れ(=スマホ老眼)が原因のことが多いのです。一時的な症状にとどまらず、頭痛や肩こり、めまい、吐き気などを伴うことや、重症になると自律神経に影響を与え、実生活が営めなくなることもあります。そのため早めにケアをすることが大切です」(前出・梶田先生)

 

そんなスマホなどによる目の疲労感を緩和するため、企業も動きを見せている。3月17日に株式会社ファンケルヘルスサイエンスは機能性表示食品『スマホえんきん』を発売。’15年6月の発売以来514万個を販売した大ヒット商品『えんきん』は40代以降の目のピント調節に特化した商品だったが、今回は「スマホ老眼」が気になる20〜40代に向けた商品となっている。梶田先生は、こうしたサプリメントの有効性についてこう語る。

 

「『スマホ老眼』には、サプリメントの摂取や目を温めることで血液の流れを良くし、目の筋肉の緊張をほぐすことが有効です。また、日ごろからスマホの利用やパソコン作業などが続く場合、定期的に目を休めて、近くだけでなく遠くを見ることを意識しましょう」

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