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年末年始は、義父母や親類縁者、あるいは旧友など、ふだん会わない人と顔を合わせる機会が増え、人間関係で疲れてしまいがち。考えるだけでも気が重い……という人も多いだろう。

 

「人間関係でぐったり疲れてしまうのは、『期待に応えたい、よく思われたい』という気持ちが強すぎるのが原因です。久しぶりに会う人の前だから、なおさらそう思うのでしょう」

 

こう語るのは、人間関係のスペシャリストである心理カウンセラー・根本裕幸先生。

 

「じつは、その『他人によく思われたい』という気持ちが、あなたを苦しめているのです。そうした悩みを持つ人たちに、私はまず“他人軸でものを考えること”をやめるようアドバイスしています」

 

“他人軸”とは、他人の価値観や考え方を、自分の思考や行動の基準にしてしまうこと。SNSの普及などもあり、つい自分と他人の暮らしぶりを比較したり、他人の評価を過剰に気にする人が増えている。

 

「本来、価値観は人それぞれです。自分とまったく同じ考え方の人は存在しません。相手に合わせようとするから苦しくなる。他人の評価を気にしてしまう自分から、いかに脱するか。これがポイントなのです」(根元先生)

 

この時期、特に多いのは、義父母との人間関係の悩み。帰省した夫の実家で、「いい嫁を演じて、相手によく思われなければ」と張り切りすぎると、“他人軸”のわなにはまってしまう。また、気むずかしい性格の相手との付き合いに疲弊してしまったりもする。

 

たとえば、こんなケース。

 

「ふだんはさほどでもないのに、いきなり不機嫌になったり叱ってきたりする義母。“地雷”がどこにあるのかわからず、いつもビクビクしてしまいます……」

 

先生の答えはこうだ。

 

「相手の考えなどわからないのだから、“地雷”なんか踏んでもいい、という気持ちで接したほうがいいのです。踏んでしまったら、『ごめんなさい』『そんなつもりじゃなかったんです』と明るく謝ればいいだけのこと。そのうち、『この嫁は何もわかってくれない』と諦めてもらえれば、むしろ大成功ではないですか!」(根本先生)

 

相手の顔色をうかがってビクビクしない――。そのためには“他人軸”ではなく“自分軸”で生きることが大切だと根本先生。

 

「自分の心を犠牲にせず、自分の声に従って生きる、それが自分軸で生きるということです。人間関係に敏感な人は、これはできていない場合が多い。“自己肯定感”、つまり、ありのままの自分を認める力が弱いのです。だから、何か言われると心が折れてします」(根本先生)

 

この時期、ありがちなのが、親戚の集まりなどで放たれる「去年より太った?」「お宅は一人っ子でかわいそうだね」などという無神経な一言(!)。

 

「自分軸で生きていて、自己肯定感が強い人は、『また、おじさん(おばさん)が何か言っているわ……』程度に聞き流せます。でも、他人軸で生きている人は、まるで自分を否定されている気分になり、傷ついてしまう。大切なのは、今の自分に自信を持つこと。そうすれば、そんなセリフを気にする必要はありません」(根本先生)

 

この年末年始は「私は私」マインドで、人付き合いの疲れとオサラバしよう!

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