「冬モノ衣類に使われる素材はデリケートなものが多いのですが、洗濯表示に『家庭洗濯NG』となければ、たいていのものは自宅で洗えます。ただし、洗い方を間違えると縮みや伸び、毛羽立ちなど取り返しのつかない失敗も。素材別の洗い方をチェックしてから洗いましょう」
そう語るのは、“洗濯王子”こと洗濯アドバイザーの中村祐一さん。かつて冬素材の王様だったカシミヤも、ファストファッションブランドの大量生産によって安価になり、手に入りやすくなった。厳冬も手伝って、今年はカシミヤニットが飛ぶように売れた。
冬物衣類の洗濯には、おしゃれ着用の中性洗剤と柔軟剤が必須。普通のアルカリ性洗剤で洗うのはNGだそう。そして、おしゃれ着用の中性洗剤を使えば、カシミヤニットはもちろんのこと、なんと冬の定番となったムートンブーツも家で洗えるという。そこで“洗濯王子”がムートンブーツの洗い方を教えてくれた。
【洗濯法】
用意するもの:靴用ブラシ・おしゃれ着用の中性洗剤・食器洗い用スポンジ(2層のもの)・柔軟剤・ラノリンオイル・タオル数枚。
(1)ブラシで汚れを落とす
ブーツのほこりや汚れを、靴用のブラシでやさしく落とす。
(2)中性洗剤でスポンジ洗い
洗面器に水と中性洗剤(1リットルに約5ミリリットル目安)を入れてムートンブーツを浸し、スポンジの軟らかい面で表面をやさしく洗う。
(3)靴底もスポンジ洗い
靴底のゴム部分はスポンジの硬い面でゴシゴシ汚れを落とす。
(4)流水ですすぐ
泡がなくなるまで流水ですすぐ。
(5)オイル&柔軟剤IN
きれいな水にラノリンオイルと柔軟剤(ともに1リットルの水に約2.5ミリリットルずつ)を入れ、ブーツをつけて1〜2分なじませる。
(6)タオルを詰めて脱水
形崩れ防止のためブーツの中にタオルを詰め、洗濯機で3分間、脱水する。
(7)タオルで全体を拭く
脱水すると濃い色のブーツは染料がムラになる場合も。古タオルで表面を均一に拭く。
(8)形を整えて陰干し
タオルを詰めたまま形を整え、風通しのよい場所で陰干しする。乾いたら、靴用ブラシでやさしくブラッシングする。
「水で洗うとシープスキン独特のヌメヌメ感が出てくるため、サッとやさしく洗いましょう。さらに、羊の油『ラノリンオイル』で、油分を補充して。また茶、紺、黒などの濃い色のムートンブーツは、水につけると色落ちする可能性が高いです。乾いたときに色ムラにならないよう、脱水したあとになじませるのを忘れずに。ヨレヨレで諦めていたブーツから試してみましょう」(中村さん