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上手に断ることができず、人間関係にヒビが入ってしまったということは、けっこう身近に多い。とくに“出会いの季節”の4〜6月は、人間関係は慎重に対処したいもの。

 

「実はちょっとしたコツを覚えれば大丈夫。“嫌われない断り方”があるのです」

 

こう話すのは、最新刊に『科学的に人間関係をよくする方法』(角川新書)がある、堀田秀吾明治大学教授。

 

「大事なのは、断った後に必ずフォローを入れること。断るという、相手に危害を与える言葉の後に、関係を修復する共感の言葉を伝えるのです。断る=ツン、フォロー=デレ。この“ツンデレ術”をマスターすれば、嫌われずに断ることができます」

 

堀田教授は、次の4項目に照らし合わせてツンデレ術のさじ加減を変えることで、すべてに対処可能だと話す。

 

(1)嘘をついてよい相手か

(2)相手のフェース(体面)を保つ必要があるか

(3)その後の人間関係にどう影響するか

(4)周囲に不公平感を持たれないか

 

現代礼法研究所主宰でNPO「マナー教育サポート協会」理事長の岩下宣子先生も、生徒からの相談に、こういったアドバイスをしている。

 

「無下な断り方は災いを生むだけ。誠意ある断り方こそが必要で、そのためには気持ちを必ず織り込むことです。具体的には『申し訳ありませんが』といったクッションになるフレーズを話してから、断りの言葉、お願いの言葉とつないでいきます。(1)申し訳ありませんが……、(2)できかねますので……、(3)何とぞお願い申し上げます……の順です。加えて、(4)その代わり……と何か別の形で協力するという意思を示せば、さらによいでしょう」

 

堀田教授と岩下先生に、言語学とお作法の観点から、シチュエーション別の断り方を解説していただいた。

 

■友達付き合いをやめたい

 

「正面から本音を言えば相手を傷つけますので、何もしないのがベスト。『ゴメンね、用事があるから』と何度か断っているうちに誘いもこなくなります」(岩下先生)

 

「こんな食事会なら行きたいと、参加条件を限定するのもひとつの手です」(堀田教授)

 

■販売店員の声掛けが苦手

 

「デパートの洋服売場では、試着したまま店員の前に出ると“買う気あり”と思われます。着替えた後で『似合わなかった』と言ってから試着のお礼を言えば、店員さんも気を悪くしません」(岩下先生)

 

「もう何軒か見たい。後で戻ってくると伝えるのがスマートでしょう」(堀田教授)

 

■出たくない結婚式がある

 

「招待状に『欠席します』と書くだけではなく、祝電やプレゼントを贈ったりするほうがよいでしょう」(岩下先生)

 

「“本当は行きたかった”という気持ちを伝えて、ぶっきらぼうな印象を与えないように注意してください。最後に『ご盛会をお祈りします』とひと言加えるのも有効です」(堀田教授)

 

歓送迎会など、宴会の2次会もなかなか断りづらい。

 

「大人数の2次会は、断っても不公平感は抱かれにくい。『次は付き合うから、盛り上がってね』と代案と共感の言葉を添えましょう」(堀田教授)

 

■SNSでつながりたくない

 

「『ガラケーしか持っていないので』とか『LINEをやっていないので』で十分。メッセージが立て続けに来るのを止めるには、返信するスピードを徐々に遅らせ、時間を空けていきます」(堀田教授)

 

「友達申請にはOKしてもいいでしょう。しかし、メッセージのやり取りを『忙しくてお答えできないので』と断ったのに、当人がフェイスブックなどへ投稿を頻繁にしていると、相手を嫌な気持ちにさせてしまうことがあります。設定で、投稿を見られる人を限定しておくべきでしょう」(岩下先生)

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