電気代の大幅な値上げは、震災以降、東京電力や関西電力など7つの電力会社で実施された。さらに11月から北海道電力の電気料金が上がる。経済ジャーナリスト・荻原博子さんは言う。

 

「電気料金は今後も上がることが予想されます。円安や原油価格などの上昇意外にも、老朽化した原発の廃炉費用も必要になるでしょう。電気の使用量が増える冬こそ、節電が不可欠です。冬の節電は、冬本番前のいまから始めたほうがより効果が大きくなります」

 

というわけで、荻原流「冬の節電」のポイントを教えてもらった。まずは、夏モードの切り替えから。

 

「冷蔵庫の設定温度が夏のまま“強”になっていませんか。“中”に替えるだけで、1カ月で約5キロワット時、113円分節電できます。夏に活躍したエアコンは暖房に切り替える前に、フィルターを掃除しましょう。目詰りしているフィルターと比較すると、月に約2.6キロワット時、58円の節電になります。暖房便座は設定温度を上げたくなりますが、温か素材の便座カバーを使えば“弱”でも温かく感じます。昨冬“中”にしていたのを今年は“弱”にすると、月に約2.2キロワット時、48円分節電できます」

 

次は、節電グッズの準備。

 

「部屋の熱の約50%は、窓から逃げていくといわれています。窓に断熱効果のあるシートなどを貼りましょう。プチプチと呼ばれる梱包材でも代用できます。サッシの窓枠に貼るテープや隙間風を防ぐテープ、またカーペットやコタツの下に敷く保温マットも有効です。最近は、新素材の温かい商品がたくさん出ています。布団カバーを新素材に替えて、湯たんぽと組み合わせれば、電気を使わなくても、温かく眠れます」

 

生活習慣を見直すことも効果的だ。

 

「毎日掃除機をかける方は2日に1回にして、モップで掃除する日をつくる、洗濯物はまとめて洗うなど、電気を少しでも使わない方法を考えましょう」

 

原発再稼働や電力小売りの自由化など、電気を取り巻く情勢は問題山積みだ。

 

「新しく経済産業大臣となった宮沢氏は、東京電力の株主だという報道もあります。節電で自分の生活を守りながら、政府や電力会社の動きにも厳しい目を向けたいものです」

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