「ぜいたくしているつもりはないのに、お金が貯まらない――。そうお悩みの方は少なくありません。とはいえ、お金は使ったらなくなるもの。ぜいたくをぜいたくと気づかないまま、お金を使っていることが問題です」

 

そう語るのは、生活マネー相談室代表のファイナンシャルプランナー・八ツ井慶子さん。確かに「これはぜいたく出費!」と自分で判断、節制できれば苦労はないが。そこでまずは、やりがち「ぜいたく出費」チェックリストを公開。

 

□定期的に購入している健康食品がある

□固定費は削れないと思っている

□「お得」に弱い

□細かい計算は苦手だ

□嗜好品のまとめ買いをしている

□家計簿の費目を細かく設定している

□1日に財布を開ける回数が多い

□おしゃれな人だと思われたい

□人付き合いはいいほうだ

□ペットを飼っている

 

このうち1つでもあてはまれば、ぜいたく出費をしている可能性があるというのだ。八ツ井さんは言う。

 

「高価な健康食品やサプリにお金を使う前に、できることがあるはず。ペット関連は、際限なくお金をかけがちな分野です。どこかでけじめを。固定費は『固定』という言葉にとらわれて、『やめる』という発想がわきにくいようです。まず見直してほしいのが、通信費。とくにスマホの契約です」

 

固定費ではないが、スーパーでのまとめ買いも同じ。とくに嗜好品には気をつけたい。

 

「ビールであれば、1缶ずつ買うより6缶パックのほうが単価が安いから、という買い方ですね。嗜好品は我慢がしにくく、あればあるだけ消費してしまいがち。本当に必要なときだけ“そのつど買い”したほうが、トータルで安くなります」

 

家計簿の費目を細かく分けすぎると、1つ1つの費目の金額は目立たなくても、合計すると高額に。さらに同じ費目でも買い物の回数が多い人は、結果的にぜいたく出費になっている恐れが。

 

「多いのは、コンビニ、スーパー、デパ地下、カフェなどでの“ちょい買い”で、ほとんどが食べ物。1度に使う金額は小さいのでぜいたくというつもりはないでしょうが、おサイフを開ける回数が多いので、合計すると相当な金額になっています」

 

会社の同僚やママ友などとのつき合いの中でも、ぜいたく出費は起こりがち。「ランチはみんなと外食しているから、自分だけ断るわけにはいかない」と付き合いだけのためにお金を使っている人も多いのでは。また、女性が集まる場では、暗黙の“おしゃれ競争”も起こりやすい。見えを張って、あれもこれもと買い求める気持ちは、ぜいたく出費の温床に。

 

これまで挙げたぜいたく出費に陥りがちな人には、共通点があると八ツ井さんは話す。

 

「収入アップと同時に、生活費も増えること。そのことが問題ではなく、それに気づいていない点に問題があります。だから、せっかく収入が増えても、貯蓄が思うように伸びない。日常の中でリラックスするため、楽しむためのお金も必要です。けれど、教育費や家のリフォームなど、本来使いたいところにお金が使えていなかったり、思うように貯蓄ができていないなら、『ぜいたく』になっている可能性があります。優先順位を決め、順位の低いものは削っていきましょう」

 

気づかぬうちに“ぜいたく出費貧乏”にならないためにも、自分なりの「ぜいたく基準」を見つけよう!

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