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「お金への意識はそのまま財布に表れる。その人の家計管理がどうなっているかは、お財布の中を見れば、よくわかるんです」

 

こう話すのは、これまで1万人以上の赤字家計を、貯蓄できるまで導いてきた人気ファイナンシャルプランナーの横山光昭さん。『遊んでいても勝手に貯まるほったらかし貯金術』を4月に出版した横山さんは、「貯められる人は、財布も上手に使っている」と言う。

 

横山さんが挙げる、「お金が貯まるOK財布」の特徴は次のとおり。

 

■見た目が美しい

■お札は種類別、上下裏表そろえて入れる

■クレジットカードは1~2枚

■ポイントカードは最大5枚まで

■「家計費」(食費と日用品費)とは別に、臨時支払いに備えた「予備のお金」など、財布の中のポケットでお金の用途が区分けされている

 

これらの特徴を踏まえ、さらに「お金が貯まるOK財布」を上手に使いこなす“上級テクニック”を横山さんに伝授してもらった。

 

【ポイント1】いま財布に入っている金額を言えるように

 

「財布とお金を丁寧に扱えている人は、自分が今、いくら財布に入れているか、いくら使ったかをきちんと把握し、やりくりすることができています。まずは、財布の中身をこまめにチェックすることからはじめましょう」(横山さん・以下同)

 

【ポイント2】予算は決まったペースで引き出す

 

「お給料日の後、1月分の生活費は一度に引き出しましょう。不足したつど引き出すのは、使いすぎにつながります。引き出すことに慣れてしまうと、高い時間外手数料にも鈍感になってしまう。必ず、手数料がかからないときに引き出すようにしましょう」

 

【ポイント3】「定額」を「定曜日」に財布へ!

 

子どもが6人いる横山家では、「家計財布」と「浪費財布」に分けているという。

 

「家計財布は、食材や日用品の購入にあてるお金を入れ、週単位で管理していきます。浪費財布には、PTAでの立て替えで戻ってきたお金などを入れておきます」

 

節約することだけを気にしていると、心に余裕もなくなってしまう。そんなときは、浪費財布の出番だ。

 

「『今日はちょっとぜいたくして、ハーゲンダッツのアイスを買おう』というときには、浪費財布から支出するようにしましょう」

 

節約と“プチぜいたく”のメリハリをつけてお金を使うことで、逆にムダ遣いを減らせるそう。

 

「わが家では毎週月曜日の朝、家計財布に2万円を入れています。決まった額を決まった曜日に一度だけ入れることで、一目で残高がわかり、やりくりの目安になります。財布に入れる予算額がギリギリだと、週末に向けて気持ちも焦ってしまうので、少し余裕を見て20%ほど多めに入れておきましょう」

 

【ポイント4】財布はリビングに置いて連帯管理!

 

「家計財布は、家族全員がみんなで一つのものを使いましょう。そうすることで、自分も家計に関わっている気持ちを共有します。わが家では、子どもが昼食代を使うときにも、残高を見て予算内で買い物してくれます。『残高少ないから大切にね』と、逆に子どもに言われたりも(笑)」

 

【ポイント5】家計財布の不足は翌週の予算から!

 

「家計財布を1週間やりくりしてお金が余っていたら、(1)そのまま貯金する、(2)浪費用財布に入れる、(3)翌週の家計用へ繰り越す、の3つの中から選んで使います」

 

だが家計財布で不足が出た場合は、浪費財布や予備費で補充してはいけないという。

 

「ほかの予算からの補充は、使いすぎのもと。不足した場合は、翌週分の家計費から出してきて、やりくりするようにしてください。あくまでも、家計財布は家計財布で、収支を完結させるようにしましょう」

 

【ポイント6】クレジットカードよりはデビットカード

 

「横山家は、クレジットカードを現在1枚も持っていません。その代わりに、デビットカードを使っています。デビットカードがいい理由は、即時決済で口座から引き落とされるので、借り入れにならず使った額を把握しやすいからです」

 

【ポイント7】レシートは写メで撮って即処分!

 

「帰宅時に毎日、お札の種類や向きを整え、レシートは財布から出して整理します。家計簿をつけている人は、レシートを捨てることに罪悪感を持つ人も多いですが、写真を撮っていれば大丈夫。日付も金額も店も自動で記録してくれるスマホアプリがありますから、整理はカンタンだと思います」

 

【ポイント8】3カ月に一度は、ポイントカードも処分

 

「たまにしか行かない店のカードもついたまっていきますから、3カ月使っていないカードは捨ててしまいましょう。3カ月間一度も使わなかったら、そのポイントはもうたまることはないと考えていいと思います」

 

【ポイント9】お金を1円も使わない日をつくる

 

「1週間に1回は、1円も使わないように工夫してみましょう。ペットボトル飲料を水筒にしたり、食事も作りおきにしてみてもよいかもしれません。欲しいものができても、『今買うべきか?』と、自問自答するように。お金に振り回されるのではなく、お金を自分でコントロールしている、と実感することが大切なのです。横山家では、週に2~3日支出0円の日がありますよ」

 

自分の財布を見て診断する、あなたの家計管理能力。お金を貯めるためにも、今から財布を整理しよう!

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