image

 

15日、警察庁は’17年に認知機能検査を受けた75歳以上の高齢ドライバー196万2,149人中、2.8%に当たる5万4,072人が“認知症の恐れがある”と判定されていたことを発表した。

 

また、昨年に交通死亡事故を起こした75歳以上のドライバー385人を調査したところ、「認知症の恐れ」があるが28人。「認知機能低下の恐れ」があるが161人だったことも同時に発表。じつに死亡事故を起こした運転者のほぼ半数が、認知機能が低下していたのだ。

 

「認知機能の低下によって、クルマの運転時に起こりやすい事象をまとめたのがこのリストです。まずは自分の状況を把握して、早期に予防と対策をすることが肝心です」

 

そう語るのは、認知症研究の第一人者で、『運転を続けるための認知症予防』(JAFメディアワークス)の著者、鳥取大学医学部・浦上克哉教授(61)。

 

認知機能とは、記憶力や判断能力など、物事を正しく理解し、適切に実行するための知的機能のこと。この機能が低下した状態が、認知症や“認知症予備軍”と呼ばれるMCI(軽度認知障害)だ。

 

そしてこれを早期発見するために役立つのが、浦上教授が作成した次の「運転時の認知障害早期発見チェックリスト」。運転者だけでなく、家族の目からもチェックしてみよう。

 

【1】車のキーや免許証を探しまわることがある

【2】今までできていたカーステレオやカーナビの操作がわからなくなることがある

【3】スーパーなどの駐車場で自分の車を止めた位置がわからなくなることがある

【4】運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった

【5】アクセルとブレーキを間違えたことがある

【6】曲がる際にウインカーを出し忘れることがある

【7】反対車線を走ってしまった(走りそうになった)

【8】右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった

【9】車間距離を一定に保つことが苦手になった

【10】車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることが増えた

【11】駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を止めることが難しくなった

【12】急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど、運転が荒くなった(と言われるようになった)

【13】交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった

【14】同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった

【15】以前ほど車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった

 

「年に1度はチェックしてください。15項目中、3項目以上チェックが入った場合は要注意。7項目以上該当する人は、専門医の受診をお勧めします」(浦上教授・以下同)

 

浦上教授が、ぜひ運転者の家族にも注意してもらいたいと語るのが(10)だ。

 

「車庫入れのミスは“視空間認知機能(目から入った情報のうち、物の位置や向きを認識する能力)”と呼ばれる能力の低下で起こります。自分のクルマと車庫の位置関係がわかっていないと、うまく駐車できない。たとえば自宅の車庫など、慣れた場所でクルマを壁にぶつけたり、こすったりするようになったら注意が必要です。クルマに傷やへこみがないか? ふだんから家族が確認しましょう」

 

【3】と【11】にあてはまる人も、“視空間認知障害”の可能性があるので気をつけてほしい。

 

「認知症になった人は、自分が忘れているということを忘れてしまう。そのため自分が危険運転をしているということも忘れたり、気づいていないことがあるので、家族のチェックも重要です。高齢者だから必ず事故を起こすわけではありません。早期にMCIの兆候に気づき、予防する。そして能力の低下に応じた安全運転を心がけることで、長く運転を続けることもできるんです」