「人の手を加えず自然に湧き出した温泉『野湯』をたまたま体験したんです。子供のころから知っている温泉施設と、川からポコポコ湧いているワイルドな野湯とのギャップに衝撃を受け、なんだこの世界は!?って」
そう話すのは、女優として活動しながら、温泉の素晴らしさを広めるべく「温泉女子部」なるアプリを立ち上げた西川カナコ(29)。温泉入浴指導員の資格を取得し、いいお湯のためなら苦労をいとわない温泉マニアだ。
「それからは、舞台の公演で地方に行けばオフは決まって1人でその土地にある温泉巡り(笑)。北海道から鹿児島まで200カ所以上は行きましたね」
彼女にとって温泉は、ただ疲れを癒す場所ではなく、なめて味わい匂いを楽しむ五感をフル稼働させる刺激的な体験のよう。そうしていい湯を求める日々は、もはや“温泉道”ともいえそうだ。
「もともと地元の人が野菜を洗うために作った“たらい湯”など、さまざまな秘湯に入りました。今まででいちばん過酷だったのは“日本一遠い温泉”といわれる富山県の高天原温泉です」
山の上にある高天原温泉は山小屋への宿泊が必須で、たどり着くまでに最低でも片道13時間はかかるという。
「登山初心者の私にはかなりハードな行程で、最後は膝をガクガクさせ半分泣きながら下山しました。あのときのことを思い出せば、どんな過酷なお芝居の現場も乗り越えられそうです(笑)」
そんな彼女に、GW向けで“ハードじゃない”お薦めの温泉を聞いた。
「群馬県の長笹沢川にある尻焼温泉はどうでしょう?不思議なのですが、ここは川が部分的に温かくて温泉になっているんです。深いところだと150センチくらいはあるので、ふつうに泳げちゃいます。混浴ですが、水着を着てもよいので、混浴初心者の方でも入りやすいと思いますよ!」