閉じていた目がカッと開かれると、彼女は眉間にしわを寄せ、視線が宙を泳ぐ。見えた。何が?今年1年の日本の未来が。そして・・・ビンファとキツリの最強コンビの秘密が明らかになる。

台北に、ものすごく当る女性二人組の占い師がいる

そんな噂が、本誌記者の耳に入った。噂では、その二人組の1人は、現地で「米卦問事」と呼ばれる、お米を使った占いをするという。ただ、もう1人の占い師に関しては「すごいパワーがある」とだけで、詳細は不明だった。

これまで、沖縄・石垣島や、韓国・明洞などで、多くの人々の悩みを癒し、正しい未来に導くカリスマ占い師やシャーマンを発掘、紹介してきた記者は、この二人組の占い師に会うべく、台湾に向かった。

image「ようこそ、台湾へ」

こう言って笑顔で、しかも流暢な日本語で迎えてくれたのは林君翎(リン・キツリ)さん (右)。二人組の1人で、彼女がお米を使った占い「米卦問事」をする占い師、その人だ。そして彼女の隣に、ニコニコと笑みを浮かべた女性が座っている。彼女こそが、もう1人の占い師・林秉華(リン・ビンファ)さん(左)だ。そう、台北の凄腕占い師は2人の林さん、その名も『林林姐姐』(リンリンチェチェ)だ。

まずは、東京の編集部にも轟いた噂の〝林林姐姐2号〟こと秉華さんの「すごいパワー」について尋ねた。

「秉華老師は、普通の人が見えないものが見える人なんです。こちらではそういう人を『通霊師』と呼びます」

少しシャイな2号に変わって〝1号〟君翎さんがこう教えてくれた。なんでも、秉華さんは幼いときから、自分の意思とは無関係に、実体のないさまざまなものが見えたのだと言う。

「そうなんです。物心ついたころには、普通の人には見えないものが、見えてました。初めてそういうものを見たのは、幼稚園に上がる前だったと思います。夜明け前、誰かが話す声が聞こえて目が覚めて。寝床から居間に出てみると、知らない5人の大人たちが、フワッと床から湧き上がってくるように現れるのが見えました。この世の存在ではないことは、幼かった私にもハッキリ分りました」

その後も秉華さんは、霊たちの姿が見えたり霊たちの声が聞こえたりという経験を繰り返した。葬儀に出席して、地中から突き出てきた腕に、スカートの裾を引っぱられたこともあった。亡くなった親戚が彼女の耳もとで「私はここにいるよ」と囁くこともあった。横になっていたら、なにやら大勢の子供たちの霊に、魂だけを抜き取られ、宙を舞わされたこともあったという。

「私が彼らの存在に気付いていることを知って、一緒に遊びたかったんだと思います。なんだかフワフワした気分だな、と思って見下ろしたら、遥か下の方に自分の体が見えました(笑)」

imageそんな経験を重ねても、秉華さんには不思議と恐怖は感じなかった。というのも、彼女の家は、代々通霊の力を引き継いできた家なのだ。同じく霊が見えた母は小さかった秉華さんに「決して怖くはありません。でも、あまり〝見えるもの〟にとらわれないで生きなさい」と教えたという。

そして15年ほど前、あることがきっかけで秉華さんは他人の悩み事や前世が、霊が見えるのと同様に、映像で見ることができるようになる。

「疲れてマッサージを受けに行ったんです。目を閉じて施術を受けていたら、体が楽になるどころか、どんどん重たくなってきて。ふと目を開けると、マッサージ師の女性の悩みが、具体的な映像となって見えてしまったんです」

そこで秉華さんは、女性に「悩みがあるんじゃないですか?」と、問いかけたという。不意にそんなことを言われた女性は、驚くとともに不審がったという。しかし……。

image「私が見た映像は、お子さんが家出して頭を抱えて悩んでいる女性でした。でも、近い将来、そのお子さんが家に帰ってくる映像も見えたんです。それで、こう言いました。『大丈夫です。もうすぐお子さんは帰ってきますよ』って」

数ヶ月後。そんなことがあったことも忘れて、再びマッサージを受けに。来店した秉華さんを見つけるや、件の女性が飛びつかんばかりの勢いでやって来たという。そして、「なぜ分ったの!? あの日、あなたが言ったとおり、息子はあれからしばらくして家に帰ってきてくれたのよ

と。

「その一件からですね。私は他人のことも見えるんだ、とハッキリ分ったんです。それ以来、精神を集中させることで、他人の前世が見えたり、レントゲン写真を見るように、人の体の中の健康状態が見えるようになりました」

そして、秉華さんが始めたのが、通霊師の力をフルに使った「前世今生占い」なのだ。

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