もしものときに役立つ「ペットの防災訓練」3つの方法

昨年3.11の巨大地震と大津波、原発事故は多数のペットたちをも襲った。そして今、再び巨大地震の可能性が報じられているが……。先月『震災ペットを救う―3.11から学ぶ「ペット防災学」』(長崎出版刊)を上梓した日本動物虐待防止協会の藤村晃子・代表理事は「被災地ではペットを置き去りにしてきたことを悔いて、精神的にまいってしまっている方がたくさんいました」と語る。そこで藤村さんに、災害時に役立つペットの防災訓練法3つを教えてもらった。

●クレートトレーニングをする
クレートとはペットを運ぶコンテナのこと。小~中型犬などは緊急時、クレートで運び出すことを藤村さんは勧める。

「普段からクレートやゲージに嫌がらずに入るよう訓練しましょう。たとえばドライブは必ずクレートに入れて行く。おやつをクレートやゲージで与えるのもいい。うまく訓練すれば、とくに犬はあの狭い空間にいるほうがリラックスできるようになります。ここは自分のテリトリーと安心できるようになります」

結果、避難所など環境が激変した先でも、クレートさえあれば犬の不安を和らげることができるという。何か失敗をしたとき罰としてクレートに閉じ込めるのは絶対にNG。いやな記憶と結びついてしまうそうだ。

●靴下に慣れさせる
「大きな犬の場合はリードで繋ぎ徒歩での避難となるでしょう。このとき肉球を傷つけないようにするために、靴下が有効です。ただ、はき物をいやがる犬も少なくない。ふだんの散歩のときなどに靴下をはかせて、慣れさせておきましょう」

●お座り!待て!ツケ!を覚えさせる
一般的な「お座り」「待て」は非常時にも役立つ。特に藤村さんが徹底して教えてほしいというのが、飼い主の側を離れないようにする「ツケ」だ。
「よく散歩中、犬がズンズンと飼い主さんを引っ張っている姿を見かけますが、あれはよくない。非常事態になると犬も精神的に不安定になり、どこかへ走り去ってしまうかもわかりません。ふだんからツケの訓練をして、きちっと一緒に歩くようにしましょう」
訓練方法は、家や車から外に出るとき、まず飼い主が先に出ること。人が先で犬が後ということを徹底することで、犬に芽生える無用なリーダー意識を抑えられるという。

 

 

 

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