荻原博子が激怒!「家庭向けから利益9割」東電の”騙し手口”

東京電力の収益構造が明らかになった。供給量は企業向け6割、家庭向けは4割にすぎないのに、東電の利益の9割が家庭向けの電気料金だったのだ。さらに値上げをしようとする東電に経済ジャーナリスト・荻原博子さんが激怒。そして「実は東電の納得いかない”手口はこれだけではないんです」と、東電の”騙しの手口”を指摘してくれた。

●電気料金を、経済産業省や電力会社など内輪だけで試算している
「自分たちに都合のいい数字を出してくれる人に試算を依頼しているので、私たちが納得できる根拠がありません」

●「原発を再稼働しなければ家庭の電気料金『15%値上げ』」は根拠なし
「東電は7月から平均10.28%の値上げを申請。原発を再稼働しなければ15.87%の値上げが必要とのこと。なぜこの数字が出てきたのかは、明らかにされていません。火力発電のコストだと主張しますが、それなら根拠が裏付けされた資料を公にできるはず。『原発を止めて15%』か『再稼働して10%』のどちらを選ぶかという議論になりつつありますが、どちらも納得できません」

●昨年夏、電力使用のピーク時でも電力は足りていた!
「東電を信用できない理由のひとつが、大騒ぎとなった昨年の計画停電騒動。実はピーク時でも電力量は、東電の供給量内に収まりました。当時稼働していた3機の原発が止まっていたとしても、十分足りていたんです」

●多くの家庭は「月々480円の値上げ」より負担が増える
「7月実施を目指している『家庭向け電気料金の値上げ』は、契約アンペア(A)によって値上げ率が違います。東電が提示していた”月額480円の値上げ”のモデルは30Aの世帯です。お子さんがいる家庭では40~50Aのケースが多い。40Aの世帯は月々748円、50Aなら月々1237円も値上げになるんです。こういう手口を使うので気をつけなくてはいけないのです」

●夜間割安新プランは、現行のプランより使えない
「東電は6月から、ピーク時の料金は通常の約2倍ですが深夜料金は半額になる『ピークシフトプラン』を導入します。これは深夜に蓄電した電気を昼間使うことができる『オール電化』の家庭向けのプランです。もともとあった使い勝手のよい『おトクなナイト10』というプランは6月いっぱいで新規加入は打ち止め。いいプランをなくし、使いにくいプランを作るんです」

「このままでは、電気料金の値上げが続く可能性があります」と語る荻原さん。今後も、東電の動きに目を光らせていかねばいけない――。

 

経済ジャーナリスト
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