高齢出産カウンセラーが絶句!ペット感覚で子供を欲しがる50代女性たち

「医者ではない私だからこそ、同じく不妊に悩む人の相談に乗れることがあるんじゃないかと考えました。これまでの体験や情報をお返ししたい、との思いもありました」と話すのは影山百合子さん(71)。百合子さんは、53歳で24歳年下の外国人男性と再婚。2000年に渡米し、28歳のアメリカ在住の日本人女性から卵子提供を受け、翌年7月に長男を出産した。

『芸能界史上最高齢』で懐妊したラジオパーソナリティの坂上みきさん(53)や50歳で長男を出産した衆議院議員の野田聖子さんの騒動のときも、決まって引き合いに出されたデータ『ちなみに日本人女性の最高齢出産記録は2001年の60歳』とは彼女のことだ。

百合子さんは定年退職後、不妊治療に関する相談室『レモンライム』を開設し、3年間『高齢出産カウンセラー』の仕事をしていた。しかし、相談を受け始めてすぐに、彼女は「私の60歳での出産は、同じ思いを持つ人たちに希望だけでなく、誤解も与えてしまったのではないだろうか——」という疑念に取りつかれることになる。真剣に不妊に悩み、すがるように連絡をくれる人もいたが、大半は”高齢ママ”への憧れだけの安易な考えの人たちばかりだったからだ。

「命の重みがなくなりつつあるんじゃないかと思いました。本来、50代といえば孫がいてもおかしくない年齢。そこで子供を持ち、育てていくということの意味を本当に真剣に捉えているのだろうか、と。どうも、50代にして子供を持ちたい動機がペットやブランド品を欲しがるのと変わらないように思えてしまって……」

結局、百合子さんは昨年12月『レモンライム』を閉じた。彼女は自身の不妊治療についてこう振り返る。

「私自身、同世代のみなさんが子育てをしているときにやっていなかったという自覚はありました。だからこそ、自分の不妊治療ではほかの人が100でいいところを、200も300も努力しました。その覚悟が、残念ながら相談者の方々からは感じられなかったのです。高齢者の不妊治療は決して老後の楽しみではないはずなんです」

 

 

 

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