推定患者305万人「親の認知症」早期発見チェックリスト

厚生労働省が先日、’10年に280万人だった認知症患者が305万人を突破したと発表した。’25年には患者数が470万人に達すると推定され、認知症とどうつきあっていくかが今、問われている。

「認知症は、原因の病いにより対処法も違います。血管性疾患は、初期にその病いを治療すれば進行を抑えられます。一方、物忘れのある高齢者は、骨折、肺炎を患うなどの環境や身体・精神的な変化で、症状が急激に進行します。早期発見・早期治療が大切です」

そう話すのは『(社)認知症の人と家族の会』副代表理事で、30年以上認知症のケアに携わってきた川崎幸クリニック院長の杉山孝博氏。しかし、単なる老化なのか、それとも認知症の始まりなのかを素人が判断するのはむずかしいところ。そこで杉山院長に『家族の会』の会員の経験をもとにしてつくられた、『親の認知症』が早期発見できるチェックリストを教えてもらった。

【もの忘れがひどい】
(1)今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる。
(2)同じことを何度も言う・問う・する。
(3)しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている。
(4)財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う。

【判断・理解力が衰える】
(5)料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった。
(6)新しいことが覚えられない。
(7)話のつじつまが合わない。
(8)テレビ番組の内容が理解できなくなった。

【時間・場所がわからない】
(9)約束の日時や場所を間違えるようになった。
(10)慣れた道でも迷うことがある。

【人柄が変わる】
(11)些細なことで怒りっぽくなった。
(12)周りへの気づかいがなくなり頑固になった。
(13)自分の失敗を人のせいにする。
(14)「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた。

【不安感が強い】
(15)ひとりになると怖がったり寂しがったりする。
(16)外出時、持ち物を何度も確かめる。
(17)「頭が変になった」と本人が訴える。

【意欲がなくなる】
(18)下着を替えず、身だしなみをかまわなくなった。
(19)趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった。
(20)ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる。

「もし3〜4つでも思い当たることがあれば、医師に相談してみましょう」(杉山院長)

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