「富士山周辺のパワースポットは日本太古の自然エネルギーがいまも湧きだしている場所。普通のパワスポにはないパワーを秘めているんです」

 

こう話すのは、1200年の歴史を持つ東京都福生市『熊川神社』宮司で陰陽師でもある北條宗親さん。いままで紹介されてきた富士山周辺のパワスポといえば、北口本宮冨士浅間神社や富岳風穴、忍野八海などが有名だが――。

 

「近年、富士山の地下のマグマが上昇していると報じられています。そのせいか、山麓西側の気のエネルギーが非常に強くなっていると感じています。実際に現地に行って、本物のよい気を受けられるスポットを探すことにしましょう」(北條さん・以下同)

 

まず北條さんが足を運んだのは富士五湖のひとつ、西湖の北西にある『薬明神社』。

 

「これはすごい。なんて清らかですがすがしいお社だ。富士山からの良気が湖の上で水気を帯び、深い癒しのエネルギーとなって、この社に蓄えられています。石段を上がって、手を合わせ『どうかお力を与えてください』とお願いするだけで、疲れた心がすっと軽くなるはず」

 

つぎに北条さんが訪れたのは、西湖の西隣の精進湖にある精進湖諏訪神社。この境内には知る人ぞ知る樹齢1200年の『精進の大杉』がある。高さ45メートル、根回り13.5メートルあり、鉄柵で保護されている。

 

「ほとばしる生命力を今もたたえています。肉体的に疲れているときには、木に『木霊さま、どうか私に活力を与えてください』とお願いしながら、手を合わせ、それから1分間ほど手をかざしてください。手のひらが温かくなり、疲れが抜けるはず」

 

つづいては朝霧高原にある猪之頭湧水群。養鱒場などが点在する中に、『陣馬の滝』はあった。

 

「富士山の霊気がそのまま滝の水といっしょに落ちてくる。良気が滝つぼ全体に満ちています。滝つぼに下りたら、まず深呼吸。良気を胸いっぱいに吸い込んでください。心身とも浄化され、元気になります。時間があれば、レジャーマットなどを持参して、1時間ほど、滝つぼの岸辺で横になることを勧めます。不眠症や肩こり、自律神経の乱れなどがすっとおさまると思います」

 

富士宮市の『富士山本宮浅間大社』は全国の浅間神社の総本山として有名。大社本殿にお参りしたあと、北条さんが向かったのは、境内の東にある『水屋神社』。

 

「富士山の雪解けの清水が湧出する水源に建てられたお社で、昔から、浅間大社に参拝した登山者が浴した霊泉として知られています。浅間大社本殿は富士山の火の力の御利益を強く感じるのに比べ、こちらは湧水の水の力。火と水の両方が備わることで、願い事が万事かなうパワーが生じます。お祭りの際は、両方に詣でることを勧めます」

 

最後に訪れたのは、富士宮市の景勝地『白糸の滝』。今年12月末まで滝つぼの整備工事のため、滝つぼへは下りられないが、北條さんが目指したのは滝ではなく、展望台入口のそばにひっそりとある『お鬢水(おびんすい)』だ。1193年、この地で狩りを行った源頼朝が水面を鏡代わりにして、鬢のほつれを直したと伝わる。

 

「現在も多くの山伏などの修行僧が詣でている隠れた聖域です。水がこんこんと湧いている付近に7体の龍神さまがいらっしゃる。とくに大きな悩み事を抱えている人に、乗り越える活力を与えてくれます。パワーが非常に強いので霊感の強い人はかえって気分が悪くなるかもしれません」

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