‘15年も、次々と日本列島に接近してくる台風の数々。台風が上陸しやすい日があるって、ご存じでしたか?気象だけでなく、世の中には「一年でもっとも◯◯な日」というのが、けっこうあるのです。しかもそこには、偶然ではない“理屈”があったのでした!
【1月1日】一年でもっとも支出の多い日
もともとお金を使うのはクリスマスや年末だと思いきや、元日が1位。総務省統計局のデータによると、この日の1世帯あたりの支出総額は1万4千280だという。経済評論家の平野和之さんが解説する。
「クリスマスは5千億円ほどの経済波及効果がありますが、消費者の中心は若いカップルや小さな子供がいる家庭。一方でお正月は、個人消費の40%を占めるシニア世代も参加するイベントです。支出の内訳のトップはもちろん、お年玉であることは間違いありません」
【5月4日】博物館・美術館に出かける人がもっとも多い日
総務省統計局のデータによる。「ゴールデンウイークだから」という理由がまず思い浮かぶが、なぜこの日に?前出の平野さんは「こどもの日」の前日であることに着目する。
「仕事が始まる前の日は、家でゆっくり過ごしたいという心理が働くためでしょう。帰省先からUターンするときも、渋滞で苦労することがわかっていても、わざわざ連休最終日の前日を選ぶ傾向が強いのは、このためでしょう」
【9月1日】子供の自殺がもっとも多い日
内閣府が’72年から’13年までの42年間、計1万8千48人の18歳以下の子供が自殺した日を分析したところ、この日が抜きん出て多かったことが判明した。引きこもり、不登校、いじめなどに関連したニュースを報じる『不登校新聞』編集長の石井志昴さんが語る。
「いじめなどを受けている子供たちにとってこの日は、精神的に解放されていた長い夏休みを終え、嫌な学校生活が再開されるという、大きな負担となる日です。お盆過ぎから、気持ちが沈み始める子が多いようです。『宿題が終わっていない』などという子供の愚痴は、『学校に行きたくない』というSOSのメッセージかもしれません。新学期近くの何げない言葉を、親は“大げさに”とらえてください」
【9月17日】台風がもっとも上陸する日
そもそも「特異日」という言葉は、過去のデータから、晴れや雨などになる傾向がとくに高い日を表す気象用語だった。9月17日のほか、9月26日は台風の特異日といわれている。また、10月10日が前回の東京オリンピック(’64年)の開催日に選ばれたのも、「晴れの特異日だから」という説はよく聞かれる。そこで気象庁に問い合わせところ、「(気象庁として)特異日は設けていない」という意外な答えが返ってきた。「『11月3日はよく晴れる』などといわれますが、あくまで統計データの比率の話で、その天気を保証するものではありません。特異日に関しては定義がないので、ご自分でそう思うなら、それを特異日と思えばいいのです」(気象庁の担当者)