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話題のスポットやニューオープンのお店を、本誌編集者・めた坊(41歳独身。食いしん坊生活が続き、身長170センチで体重はかろうじて0.1トンを切るメタボ体形に成長)が覆面取材。“勝手に対決”させるこの企画。今回は、「没後150年『シーボルト』展」対決だ!

 

■江戸東京博物館「よみがえれ! シーボルトの日本博物館」

 

最初に向かったのは江戸東京博物館で開催中の「よみがえれ! シーボルトの日本博物館」。元祖日本オタクであるシーボルトは医師として2度来日し、約6年間を日本で過ごした。そして、ヨーロッパに日本文化を伝えた人物。

 

今回は、そのシーボルトの末えいが所蔵する資料の約300点が時を経て里帰りした。実は、ヨーロッパに日本博物館をつくろうと構想していたらしい。その夢はかなわなかったものの、ヨーロッパ各地で「日本展示」を開催し、日本文化を広めたのだ。

 

驚いたのは、その展示物すべての保存状態がよいこと。法被に着物に漆塗りの弁当箱まで、どれも美しい輝きで、施されている刺しゅうの繊細さや漆工芸の技術の高さは、日本人として誇りに感じるものばかり。

 

ほかには、日本植物誌にあるあじさいの図版なども展示。オタクサという学名は、愛する妻・おたきにちなんでつけられたのだとか。おたきさんと娘・いね(日本初の女医)の肖像画もあった。日本に魅せられたシーボルトの情熱を感じられる展覧会だった。

 

■国立科学博物館「日本の自然を世界に開いたシーボルト」

 

つぎは国立科学博物館の「日本の自然を世界に開いたシーボルト」へ。こちらは、植物学者でもあったシーボルトが滞在中に収集した植物・動物・鉱物の標本などを展示。

 

最初にお出迎えしてくれるのは、トキ、日本カモシカといった日本特有の動物のはく製。これらも150年以上の時を感じさせないきれいな保存状態でびっくり。甲殻類のコーナーで発見した「伊勢海老」はシーボルトがオランダに持ち帰り、新種記載して広めたという。

 

先述の展覧会が、シーボルトから見た日本文化のコレクション展だとしたら、こちらは、植物学者・シーボルトの功績を知る展覧会といった感じ。どちらもシーボルトが目を輝かせ収集していた姿が浮かんできた。

 

【めた坊ジャッジ】ともに歴史的な展示で日本文化を再確認できた。偉大なシーボルトに敬意を表して、今回は引き分けだ!

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