最近、「ふるさと納税」が変わってきた。ふるさと納税は、’08年に始まった自治体への寄付制度。税金の控除があり、実質的な自己負担は2,000円で済むのが特徴だ。そのうえ、返礼品ももらえるお得感で人気が高まった。’14年度には約389億円だった寄付総額は、’15年度に約1,653億円、’16年度には約2,844億円と急成長(’17年・総務省)。

 

だが、しだいに寄付金集めのための“返礼品競争”が加熱。昨年からは、「ふるさと納税額の3割まで」が返礼品の目安になった。

 

「目安の範囲内で選ばれるために、各地で工夫が見られます」と語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。なかでも、心配事を助けてくれるサービスが注目だという。そこで荻原さんが注目のふるさと納税の新返礼品を解説してくれた――。

 

■お墓参り代行サービス

 

「もうすぐお盆です。お墓参りができない方のために、山口県周南市では、3万円のふるさと納税で、市内にあるお墓のお参りを代行してくれます。お墓をきれいに掃除し、お花やお線香を供え、その様子を写真に撮って報告します。同様の返礼は、北海道石狩市や岡山県笠岡市などにもあります」

 

■高齢者の見守りサービス

 

「故郷に暮らす高齢者が心配な方に、茨城県石岡市では、『郵便局の高齢者みまもりサービス』が選べます。毎月1回、郵便局員が高齢者宅を訪問して、様子を報告します。ふるさと納税6万円で、6カ月間、見守ってもらえます。また兵庫県加古川市では、見守りを兼ねたゴミ出し代行があります。ふるさと納税1万円で15回分。顔を合わせてゴミを預かり、応答がない場合などは報告します」

 

■空き家の管理

 

「空き家になった実家は、小まめに管理できないのが実情でしょう。栃木県那須町ではふるさと納税1万円で、空き家の外観の確認と郵便物のチェックを行います。外観の確認は、岩手県盛岡市や岐阜県各務原市など多くの自治体で提供しています。ただ、建物内に入って空気の入れ替えや水道の通水まで行うところは少数です。愛媛県東温市では、ふるさと納税3万円で2回、建物内外の管理をしてもらえます」

 

ふるさと納税は返礼の品やサービスを比べて、寄付先を選ぶことが多いが、それでは自分の寄付金が何に使われたかがわからない。そこで、特定のプロジェクトなど、自分の寄付金の使い道を指定する方法も。

 

「たとえば、島根県雲南市の『コミュニティナースプロジェクト』は、高齢者が多く病院が近くにない雲南市で、病気の予防に努める『コミュニティナース』の育成や活動推進などを行っています。こうしたプロジェクトは全国にたくさんあります。税金のムダ遣いなどもありますが、使い道を指定すれば、賛同するプロジェクトを確実に支援できます」

 

ふるさと納税は年収や家族構成などにより、自己負担額2,000円で済む上限が決まっている。総務省のWEBサイトなどに目安表があるので、確認を。