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「実家の両親と離れて暮らしている家庭は多いですよね。いっしょに暮らしていないから、扶養家族と見なされないと思い込んでいませんか? じつは、別居している親でも、生活費の面倒をみていれば、『扶養控除』の対象になるんです」

 

こう話すのは経済評論家の加谷珪一さんだ。’19年10月には消費税が10%に引き上げられる予定のため、「税金額は上がるのに、受け取れる年金額は下がるかも」という、家計の圧迫感が“半端ない”時代に突入することに。

 

「所得から徴収される税金額を少しでも減らすことは、自分と家族の家計を守るために必要な手段といえます。その節税のために知っておくべきなのが『所得控除』。所得控除とは、医療費や保険料をはじめ、社会生活を送るために負担した額を、課税対象となる所得から差し引くことです。差し引いた額に税率をかけることで所得税が決定されますから、控除額が多いほど所得税は低くなるわけです。冒頭に挙げた扶養控除のほかにも、さまざまな控除がありますよ」(加谷さん・以下同)

 

給与所得者であれば通常5月あるいは6月の給与の支給時期に勤務先から、フリーランスや自営業であれば6月初旬に「住民税の税額決定・変更通知書」が住まいの市区町村から届く。

 

「会社員に届くのは区市町村民税・都道府県民税の税額や、所得控除額などが記されているもので、自分がいくら住民税を納めるのか、そして自分はどんな控除を受けているのかを知ることができます」

 

「所得にまつわる主な控除」にはどのような種類のものがあるのか、加谷さんに解説してもらった。

 

■基礎控除

 

「所得のあるすべての人(納税者)が対象で、控除額は一律で年額38万円となります」

 

■生命保険料控除

 

「各種生命保険の保険料を納めた人が対象です。控除額は各種保険ごとに、最大で年額4万円です。しかし、1つずつが控除の対象になるからといって、控除目的で生命保険に加入するのは、かえって掛金のほうが膨大になって損してしまうので、本末転倒といえますね」

 

■地震保険料控除

 

「地震保険の保険料を納めた人が対象で、控除額は年間で最大5万円となります。近年、東日本大震災はもちろん、先日の大阪北部地震を見ても、大規模地震は『いつか必ず起きる』という認識になってきています。そのため、各社は地震保険の保険金を支払う条件を厳しくしているのが現状。これも、控除の対象になるからといって、むやみに入るのはお勧めできないですね」

 

■DC(確定拠出年金)控除

 

「確定拠出年金の掛金を支払った人が対象になります。控除額は年間に支払った全額です。銀行にお金を預けていても一向に増えない時代。今後、投資は将来の収入確保にとって“マスト”になってくるでしょうから、確定拠出年金は控除の対象になると覚えておくといいでしょう」

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