「へそくりが見つかったとき、一気に夫婦仲が険悪になることがあります。たとえば妻が『給料が少ない』と、夫に渡す小遣いをケチケチしていたのに、『そんなに貯められる余裕があったのか』と、夫が逆ギレしてその後、冷たい態度を取るようになったという話を聞きました。妻はぜいたくするわけではなく、もしものときのために貯めているのですが、『オレが働いたお金だからオレのものだ』といって取り上げようとするので、トラブルになるのです」

 

そう語るのは、夫婦問題研究家の岡野あつこさん。へそくりのトラブル事例は増えていて、一度こじれると修復するのは難しく、特に子どもが独立した後は、熟年離婚にも発展しかねないという。

 

「離婚の際、夫婦で購入した家や車、貯金など婚姻中に協力して獲得した財産は共有資産とみなされて、財産分与の対象になります。じつはへそくりも、見つかれば結婚してから貯めた分は夫婦の財産とみなされ、半分は夫に渡ってしまいます」(岡野さん・以下同)

 

せっかく貯めたのに、半分取られるのは腑に落ちないという人もいるだろう。そこで、トラブルを起こさないためにも、へそくりが原因でモメないための3カ条を教えてもらった。

 

1つ目は、へそくりがバレないように徹底して痕跡を隠すこと。通帳のほか、銀行のロゴが入ったペンや台所用品などを使うと取引がわかってしまうので、銀行でオリジナルグッズはもらわないこと。

 

「離婚裁判に発展したとき、家庭裁判所が財産調査をすることもあるので、自宅近くの銀行は調べられる可能性があります。そんなときは、地縁がない地方銀行の口座を利用すると安全です」

 

次に貸金庫を活用する方法。貯めたお金を貴金属などに換えて貸金庫に保管し、離婚後に現金に戻したという人もいたように、貸金庫は絶好の隠し場所だという。

 

「財産調査がされた際、妻の資産が見つからなければ分けようがないので隠し場所として、貸金庫はとても有効です。銀行や大きさによって利用料は異なります」

 

最後に「妻が“独り占め”している」と夫から思われないこと。

 

「へそくりが見つかって、夫がキレてしまうときは、妻が『お金を独り占めしている』と思われていることが多いのです。妻は家族のため、もしものときのために貯めていることが多いので、それを前もって話しておくのも手かもしれません」

 

夫にへそくりを教えてしまうと、その時点でへそくりではなくなってしまうが、ふだんから夫婦間で話し合っておくことが可能ならそれも手段の1つだ。

 

万が一、内緒にしていたへそくりがバレたとしても、「いつも疲れているからたまには遊んできたら?」と、労をねぎらう言葉をかけてお小遣いを渡すなどすれば、争いにならずに済むかも。お金と同様に、トラブル回避のための“備え”も大切だ。