2025年には、人口のボリュームゾーンである団塊の世代が75歳以上となり、全人口の5人に1人が後期高齢者という2020年代。当然、認知症患者も激増。「介護離職」や「介護難民」はますます増加すると予想される。

 

5人に1人にまで増える後期高齢者、それは50代後半に差し掛かった多くの人にとって自分の親にあたる。現在の平均寿命が男性81.09歳、女性87.26歳であることを考えれば、2020年代には多くの人が親の介護、看取りを経験するだろう。物心両面の備えが、まさに待ったなしになるのだ。

 

そこで、とし生活設計の取締役で、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の大野高志さんと、キャリアカウンセラーの小島貴子さんに、いまの50代が2020年を乗り切るための方法を教えてもらった。

 

■「生身の人」から得られる情報にアクセス!

 

「100年人生の後半戦を楽しむためには、新しい世界を広げることが大切。これまでママ友とばかり付き合っていたなら、ぜひバリキャリの友人とも情報交換をしてみて。結局、人間というのはテレビやウェブではなく、生身の人間からの情報がいちばん刺激になるもの。昔の級友や同僚が、きっと『まだ見ぬ世界』を教えてくれる貴重な存在になるはず!」(小島さん)

 

■親のエンディングノートを作成しておくべし

 

「親が元気なうちに本人の意思をエンディングノートに記しましょう。このとき、関係者全員がその内容を了解することと、各自の分担は何か、ある種『契約的な考え方』が重要です。その作業が『自分のとき』について考えるきっかけにもなります」(小島さん)

 

■平均介護期間のための資金、216万円を確保せよ

 

「まずは親が公的な介護を受けられるだけの資金確保が急務です。あくまで現行制度の話ですが、介護サービスの自己負担額は利用限度額内なら原則1割。地域差はありますが、もっとも重度な要介護5だと限度額が約36万円なので、月の負担額は3万6,000円程度になります。現在、平均的な介護期間は約5年といわれていますので、216万円(=3万6,000円×12カ月×5年)程度は確保しておきたいですね」(大野さん)

 

■相続から発生する問題を最小限に食い止めよ

 

「裁判所の統計によると、遺産相続の訴訟件数の3割は遺産総額1,000万円以下。相続争いは資産家だけの問題に限りません。公正証書遺言を作成しておくと安心です。資産の総額にもよりますが、公証役場にて数万円から作成可能です。また実家の家屋も、親御さん亡き後の処分方法を決めておきましょう。2代空いたら空き家まっしぐらです」(大野さん)

 

年老いた親が通る道は、いつか自分も通る道。親の「最期」としっかり向き合うことで「自分の老後」を考えるきっかけにしよう。