「政府も含めて、さまざまな業界が新たな取り組みをはじめることによって、消費者も懐ろ事情に影響を受けます。いまの景気状況を踏まえて、『いかに賢く消費できるか』が、あなたの家計を決めるといっても過言ではありません」

 

そう語るのは経済評論家の加谷珪一さん。加谷さんはこれまで数千人の消費行動をサンプリングし、お金持ちがじっさいに行っている生活習慣を研究してきた。毎日の生活習慣によって、お金が貯まるか貯まらないかが決まるといっても過言ではない。お金持ちの人は、意識的に自分の習慣を見直しているという。そこで加谷さんから「スマホ」「日常生活」「お付き合い」をテーマに、なかなか実行に移している人が少ない意外な「貯まる習慣」を教えてもらった。

 

【スマホ編】

 

■iPhoneは使わない

「iPhoneは最新機種の端末代が10万円ほどする高額商品。さらに月1万~2万円の通信費を支払っている人も多いのが現状。今年8月、菅官房長官が携帯電話の通信費を『4割程度下げる余地がある』と言ったように、大手キャリアで端末と通信回線をセットで購入することが割高であることが指摘されています。携帯料金の値下げ政策にともなって、格安SIMへの啓発活動がはじまるでしょうから、いちはやく対応したアンドロイド携帯に替えることを検討しましょう。プランによっては、iPhone使用時と比べて、3年間で100万円もの通信費が浮くケースもあるでしょう」(加谷さん・以下同)

 

■電子マネーを有効活用している

「ATMが減らされていくなか、現金での買い物にこだわっていると、ムダな出費がどんどん増えていきます。たとえば150円の電車賃を払って隣町までお金を引き出しに行くようなことがあれば、手数料も含め、そのためだけに300円以上かけていることになるんです。電子マネーやカード払いにすれば、紙や端末上で明細書がチェックできますから、自分で細かく家計簿をつける必要もなくなります」

 

■SNSの“流行りモノ”に飛びつかない

「有名人がSNSなどにアップしたお気に入り商品を、『自分にも!』と“衝動買い”してしまったことはありませんか? ここで、一歩踏みとどまって、ウェブで価格やユーザーのレビューをチェックする習慣をつけると、ムダ遣いが減ります。お金持ちの人は、意外と『中古価格』を調べたりしていますよ」

 

【日常生活編】

 

■必要に応じてタクシーを使う

「タクシーを利用することは、『1人の時間』を買うことと同じ。移動中の時間を、仕事やメールなどに有効活用できる、と多くのお金持ちは考えています。いまは初乗り運賃が東京でも400円程度になっていますし、スマホのアプリなどで簡単にタクシーを呼ぶことができますから、待たされる時間も少ない。1日の時間をムダなく使うためには、もっとタクシーを使っていいと思います」

 

■コンビニで効率よく買い物している

「コンビニ各社は、自社ブランドのコーヒーや総菜を開発することで、これまでの『コンビニ商品は単価が高い』という認識を覆したいと考えています。『夫婦共働き』を前提に考えれば、“夕食は手をかけて作るもの”、という固定観念を捨てるべきかもしれません。調理にかける時間や労力を踏まえると、むしろ『朝・昼・晩コンビニ食』のほうが、合理的ではないでしょうか」

 

■『売ること』を前提にモノを買う

「メルカリをはじめとしたフリマアプリの普及によって、『自分のモノを売る』ことが主流になってきています。住宅と同じように、モノを買うときは『いくらで売れるか』考えることができれば、買い物で損することが少なくなるはず。たとえば、3,000円のカバンを買ったAさんと、1万5,000円のカバンを買ったBさんがいたとします。Aさんはそのカバンを売ることはできなかったが、Bさんは1万2,000円で売ることができた。収支の差は同じ3,000円。でも、どちらが“豊か”な買い物をしたと思いますか……?」

 

【お付き合い編】

 

■プレゼントにはお金をかける

「他人へのプレゼントは、ただの支出です。でも、なぜプレゼントするのかといえば、日常生活や仕事などを円滑に送るため。つまり、相手を喜ばせるというのが贈り物の最大の目的なんですね。どうせムダな支出なら、相手をびっくりさせるくらいのモノを買ったほうが、その後の人づきあいもうまくいきますし、自分にも返ってくるかもしれない。安物を贈って、人間関係に亀裂が生じてしまっては、その支出は全く意味がなくなります」

 

■人からモノを借りない

「本来、モノを借りるということはコストがかかること。『タダだから』といって人からしょっちゅうモノを借りている人はその意識が低く、結果的に支出にもだらしない人が多いんです。モノを借りるくらいであれば、目の前の出費をケチらず、購入して支出を把握することのほうがずっと大事です。自分に必要なモノの出費をケチる人は、たいてい、投資にも失敗するんですよ(笑)」

 

■子どもの将来は子どもに任せる

「“子どもには将来こうなってほしい”と自分の夢を前提に教育を考えると、そのための支出が過剰になりがち。自分が親にされたレベルを上限に設定して、『ここまでしか援助できないよ』と知らせるのも、親の務めでしょう」

 

あなたが意識できていたことはどれだけあっただろうか。自分の習慣や支出を見直して、’19年を“リッチ”に過ごそう。