荻原博子が解説 国が議論する「携帯料金引き下げプラン」は本当か

昨年末、国は大手携帯電話会社に、料金の値下げを迫っている。ことの初めは’18年8月、菅義偉官房長官の「携帯料金は4割程度、値下げできる」という発言だった。11月末には、携帯端末の代金と通話料を切り離す「分離プラン」の義務化について議論。今年1月には緊急提言をまとめ、法律の改正へと動き出す模様だ。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。

 

なかでも国は、特定の携帯端末を買った方に、毎月の通信料を値引きするサービスを廃止したいようです。たとえばiPhoneXを買った方は、毎月の通信料から約3,000円を値引きするといったもので、月々サポートや毎月割、月月割などと呼ばれています。

 

これは、携帯端末の購入から2年間限定の割引サービスです。携帯端末を2年ごとに買い換える方は、ずっと割引サービスを受けられますが、端末を長く使う方には3年目以降の割引サービスがなくなり、料金が高くなります。

 

また、端末代金の高いものほど、通信料の値引きは大きくなります。国は「どの端末を買うか」で、通信料が変わるのは不公平だと指摘しているのです。

 

ほかにも、2年契約にすると端末代金を値下げする「2年割」や、端末代金を4年(48回)の分割払いにして、2年経過後に新しい端末に買い換えると、古い端末代金の残りは払わなくても済む「4年縛り」なども、見直したいようです。

 

国はこうした端末代金の割引をやめ、通信料そのものを値下げしろと言っているのです。

 

国が推す分離プランはシンプルでわかりやすい料金体系ですが、携帯料金が安くなるかというと話は別です。今後、携帯端末の値引きがなくなると、当然、端末代金は上がります。たとえば通信料が下がっても、携帯料金全体はあまり変わらないことになりそうです。

 

しかし、家計のなかで携帯料金は大きな支出です。しかも固定費ですから、一度プランを見直せば、節約効果はずっと続きます。

 

今すぐ、法律の改正など待たなくても分離プランを選んで、携帯料金を節約する方法があります。格安スマホの利用です。格安スマホの多くはもともと分離プランです。携帯端末と通信料を切り離し、それぞれの料金を抑えましょう。

 

携帯端末は10万円超の最新iPhoneなどではなく、3万円前後の機種を一括払いで買って、大切に長く使いましょう。通信料はLINEモバイルなら、LINEは使い放題で、通信は1GBまで、10分以内の通話ならかけ放題がついて月2,080円というプランがあります。月々の支払いがぐっと抑えられるでしょう。

 

そもそも、民間の携帯会社の料金体系に、国が注文を付けるのはいかがなものでしょうか。国として、本当に携帯料金を安くしたいなら、格安スマホを扱う小さな業者を支援し、自然と競争が起きて、料金が下がるように持っていくのが筋だと思います。それをしないで、大手携帯電話会社に圧力をかけるだけなら、選挙用のパフォーマンスと言われても仕方ないでしょう。

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