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「老後に2,000万円不足」問題が連日取りざたされ、金融庁には「最大3,000万円必要」という試算まであったと物議をかもしている。しかし、経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「あらゆる角度から家計を点検し消費支出を減らせば、年金+2,000万円も要らないでしょう」と語る。荻原さんが解説してくれた――。

 

■光熱水費の見直しでも4つの工夫がある

 

たとえば、光熱水費の見直しを考えてみましょう。

 

【1】新電力への切り替え

 

’16年に電力が、’17年にガスが自由化されました。ですが契約を変えた世帯は電力が2割超で(’18年9月)、ガスで1割足らずです(’19年5月・いずれも経済産業省)。

 

新電力への切り替えや電気・ガスのセット割などで5~10%は節約できます。切り替えは、電気をたくさん使う夏前がおススメ。

 

【2】契約アンペアの変更

 

契約アンペアとは、同時に使用できる電気量のこと。家族が減れば、同時に使う電気量も減りますから、契約アンペアを下げても困らないでしょう。東京電力の場合、60Aの基本料金は約1,700円ですが、30Aだと約840円と半額です。

 

【3】家電を上手に使う

 

冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」にすると年約1,670円の節約。また、野菜をゆでるときは、ガスより電子レンジのほうが時短で安上がりです。エアコンはフィルターを月1~2回掃除すれば、年約860円節約できます(’17年・資源エネルギー庁)。

 

【4】エコ家電に買い換え

 

家電を買い換えると、電気代の節約になります。特に冷蔵庫は10年前のものと比べると、年約8,000~9,800円節約できます(’18年・東京都)。とはいえ「冷蔵庫は高いから買えない」という方が多いのですが、小さめサイズを選ぶと、値段も抑えられ、食品の買いすぎ防止にもなって一石二鳥です。

 

こうした節約と合わせて、保険の見直しやマイカーを手放すなど固定費カットも重要です。私は工夫次第で、年金だけでも暮らせると思います。

経済ジャーナリスト

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